稲作×和風アクションという、一風変わったジャンルで2020年11月12日に発売されたゲーム「天穂のサクナヒメ」。
リアルさが売りの本格的な稲作・歯ごたえと爽快感のあるアクション・和風な雰囲気と音楽など、魅力がたくさんの作品です。
2021年には、日本ゲーム大賞の優秀賞を受賞したことでも話題になりました。
特に稲作パートが忠実に作られすぎていて、発売当初は農林水産省のHPが攻略wikiとしてよく見られていましたね。
そこで今回は「天穂のサクナヒメ」をクリア後要素も合わせて30時間遊んだ筆者が、レビューを行っていきます。
良い点・悪い点の両方に触れるのでご購入の参考にして下さい。

結論から言えば、インディーズゲームとは思えないほど作りこまれた名作でした!
このゲームはこんな方におススメ!
- 牧場物語・ルーンファクトリーなど、アクション+農業の作品が好きな方
- 純粋にアクションや農業シミュレーションゲームが好きな方
- 和風チックな雰囲気に惹かれる方
魅力その1:わかりやすく、笑い・山場・感動のあるストーリー
武神タケリビと豊穣神トヨハナの娘である「サクナ」は、その恵まれた環境から両親の財産を食い散らかす怠惰な生活を送っていました。

しかし神の世界に迷い込んだ人間を都に侵入させてしまい、彼らを捕まえようとした際に主神への献上品であるお米を台無しにしてしまいます。

そして罰としてその人間たちと共に、神の支配が及んでいない「鬼島」の調査を命じられることに。
サクナは人間たちとの暮らしの中でどう成長していくのか・そもそも鬼島とは何なのかといった点がストーリーの見どころとなっています。
本作のストーリーはわかりやすく、でも先が気になりどんどん進めたくなるお話。
シナリオも一辺倒でなく、山あり谷ありの物語がプレイヤーを夢中にさせてくれます。
サブキャラの人間たちも最初はあまり仲が良くないですが、物語を進めていくうちに家族のように大切な仲間となっていきます。
演出やエンディングも非常に良かったので、文句なしの出来でした。
魅力その2:本格的な稲作シミュレーションと、難易度が少し高いアクションパートのバランス
稲作パート
主人公サクナは豊穣の神であるため、稲作を進めて良いお米を作ることによって強くなっていきます。
つまりこの稲作が、本作におけるレベル上げだと考えて下さい。
稲作パートは工程だけでも「田植え」や「収穫」などの基本的なものだけでなく、より良い種籾を選ぶ「種籾選別」や精米作業である「籾摺り」など、非常に細かく分けられています。
全ての工程を体験することで、楽しみながらレべリングを行うことが可能。

工程だけでなく、水量や与える肥料によって稲の育ち方が変わるというこだわりっぷりです!
もちろんゲーム内である程度のことは教えてくれるので、全くの知識0の状態から始めても大丈夫。
最初は少し大変ですがスキルを覚えて作業が楽になったり、新しい道具や動物が登場したりとプレイヤーを飽きさせない作りとなっています。
アクションパート
アクションは横スクロールの2Dアクション。
弱・強攻撃を使ったコンボ・必殺技である「武技」・相手や地形に巻き付けて移動する羽衣アクションなどで鬼をなぎ倒していきます。
食べた食事によって、サクナにステータスアップなどの恩恵があるのもポイント。
相手を大きく吹っ飛ばして別の相手にぶつけたり、武技で相手を一掃する様は非常に爽快!
個人的に相手や地形に巻き付けて移動する、羽衣アクションが斬新で楽しかったです。
ただし難易度はそれなりに高く、ボス戦ではかなり緊張感のあるバトルが展開されます。
詰まったらお米を育てるのが鉄則ですが、早く進めたいという方は難易度を下げてしまうのも選択肢の一つ。
ちなみにこのゲームには時間の概念が存在し、夜になるとものすごく敵が強くなります。
これによりプレイヤーは基本的に朝と夜は田んぼの面倒を見て、昼は冒険というサイクルでプレイすることに。
この交互に遊ばせる仕組みが、飽きさせずに両方の過程を楽しませる設計となっていて良かったです。
クリア後の高難度ダンジョンが、しっかり用意されている所も好印象でした!
魅力その3:物語を盛り上げる和風音楽や、こだわりを感じるグラフィック
音楽はイメージを壊さないよう、和風チックなものがほとんどです。
個人的にはボス戦のBGMや、トレーラーで流れていたゲーム内の田植え歌のアレンジverがお気に入り。
ストーリーを盛り上げる役目もしっかり果たしてくれたので、きっと印象に残るBGMがありますよ。
グラフィック面も十分綺麗で、水や土などもリアルに表現されています。

ゲームを遊んでいく中で様々な動物が拠点に住み着くように。
個人的には合鴨が可愛くてお気に入りです。
キャラデザも遊んでいくうちに慣れていくので、気になる方はそこまで気にしなくても大丈夫。
ちなみに晩御飯の食卓が、メニューによって微妙にグラフィックが変わるのもこだわりが感じられました。

「天穂のサクナヒメ」の気になった点について
本作の魅力を紹介したところで、プレイ中に少し気になった点について紹介します。
田植え時に勝手にカメラが動く
このゲームは拠点(3Dモード)での移動操作とカメラ操作のボタンが同じ。
平常時ならそれで問題ないのですが、田植え時にはそれが悪い影響を与えます。
少し横に動くたびにカメラが斜めになってしまい、まっすぐ田植えをすることが非常に難しい!
できれば田植え時はカメラを固定してほしかったのが本音です。
レベルアップのタイミングが、一年に一回のみ

本作で主人公サクナのステータスが上昇するのは、一年の終わりに稲を収穫したタイミングのみ。
収穫までは一切レベルが上がることがなく、ストーリーだけをどんどん進めていくのは難しい設計になっています。
これを知らなかったため、筆者は序盤のボスに何十回と挑戦しなければ勝てない…という事態を経験しました。
一気にまとめてステータスを上げるのではなく、じわじわ上げてほしかったのが本音です。
文字が若干小さい
自分はswitchでプレイしていたのですが、それでも文字が小さいなと感じることが時々ありました。

PS4などで画面から離れてプレイされる場合は、より見づらさが顕著になると思うのでご注意を。
twitterでの他のユーザーの口コミ
良かったという口コミ
合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、「天穂のサクナヒメ」をおすすめできる人・できない人
これまで説明したことを元に、このゲームをおすすめできる人とできない人を挙げてみます。
まず、おすすめできる人は以下の通りです。
- 牧場物語・ルーンファクトリーなど、アクション+農業の作品が好きな方
- 純粋にアクションや農業シミュレーションゲームが好きな方
- 和風チックな雰囲気に惹かれる方
逆にこのゲームをおすすめできないのは、
- アクションと農業シミュレーションのどちらも好きでない方
- とにかくどんどんゲームを進めたい方
といった感じ。
購入前にはしっかりと自分の適性を判断されてくださいね。
「天穂のサクナヒメ」のレビューまとめ
「天穂のサクナヒメ」は稲作とアクションの両方ともやりごたえがあり、非常に楽しい作品です。
インディーズゲームということで値段は少し安いですが、間違いなく充実した時間を与えてくれるでしょう。
ちょっとでも興味がおありの方は、ぜひ遊んでみて下さいね!
ちなみに2020年に発売した他の面白いゲームは
2020年発売 買ってよかったおすすめニンテンドースイッチソフト7選! で紹介しているので、そちらも見ていただけると嬉しいです。
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