ゼノブレイド3のレビュー・評価|過去作の未来を繋ぐ、シリーズの集大成RPG作品!

ゲームレビュー
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今回は2022年7月29日に発売された「Xenoblade3(ゼノブレイド3)」のレビューを行います。

本作は10年以上の歴史を持つ「ゼノブレイド」シリーズの最新作であると同時に、集大成とも呼べる作品

ゲームのジャンルとしては、コマンドRPGとアクションを足して2で割ったようなイメージです。

また過去作である1と2の未来を描く作品ということで、発売前から多くのファンの間で話題になっていました。

一方でシリーズを今までに遊んだことがなく、入りづらさを感じているという方も少なくないのではないでしょうか?

そこで本作を約45時間ほど遊んでクリアした筆者が、そのあたりも触れながらこのゲームの良かった点・気になった点について説明していきます。

黒ナマコ
黒ナマコ

結論から言えば気になる点はあるものの、過去作の要素を正統に進化させた完成度の高い良ゲーだと感じました!

筆者は1,2の両方を遊んでいますが、ストーリー上は独立しているので本作から遊んでも問題はないと思います(もちろん過去作を遊んでいた方が楽しめるのは事実)。

ただ終始重苦しい雰囲気が続くので、そういう物語が苦手な方には合わないかもしれません。

つまり、本作は以下のような方におすすめです!

  • 壮大なストーリーの作品を遊びたい
  • 広大な世界を寄り道しながら冒険するのが好き
  • 過去作である1,2のいずれかまたは両方を楽しく遊べた

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「ゼノブレイド3」の世界観の説明

レビューの前に、本作の世界観について簡単に説明しておきます。

物語の舞台となるのは、2つの軍事国家「ケヴェス」と「アグヌス」によって戦争が繰り広げられている世界「アイオニオン」

この世界では人は生まれた時から10歳前後の姿であり、成人となるまでの10年間をほとんど戦いに捧げます

大半の人は成人を迎える前に戦死してしまいますが、無事に10年生き続けられた人は「成人の儀」を迎えることに。

黒ナマコ
黒ナマコ

これは国家の女王と多くの人に見守られながら、光の粒子となって消えていくというものです。

人々の寿命は元々10年となっており、生き残ってこの儀式を受けることが最大の名誉と考えられているんですね

本作はこのディストピアめいた世界で、両軍が戦地で戦いを繰り広げているところから物語がスタート。

主人公たち6人は半数がケヴェス・もう半数がアグヌスに属しており、始めは敵として出会うことになります。

しかし様々な要因が重なったことで、2人が融合して強大な力を発揮できる「ウロボロス」という力に覚醒。

この世界で禁忌とされる力に目覚めた彼らは運命共同体となり、両国から追われながら世界の真実を求める旅に出ることになります

「ゼノブレイド3」の良かった点

命と未来をテーマにした重厚なストーリー

まず本作の魅力は、命と未来をテーマにした重厚なストーリーです。

序盤から謎が謎を呼ぶシリアス展開となっており少しずつ真実が明らかになっていくため、やめどきを見失う面白さが生まれていました。

黒ナマコ
黒ナマコ

ネタバレになるので詳しくは言えませんが、様々な謎が明らかになった時のカタルシスは圧巻ですよ!

ムービーだけで約20時間のボリュームがありながらも、退屈せずに楽しめる作品になっていたのはさすがだと感じましたね

また主人公たちの描写も丁寧であり、一気に詰め込むのではなくメインストーリーやサブクエストなどで少しずつ人となりがわかるようになっています。

中心となるノアとミオだけでなく、メンバーそれぞれの過去や物語を見ていくシナリオ構成になっているので、最初は好きでないキャラクターにも愛着が湧いていくはず

過去作と比べて全体的に暗めの雰囲気なのは気になりましたが、命や生き方といった重めのテーマとは良くマッチしていたと思いました。

このように大ボリュームながらも丁寧に展開されるストーリーは、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

過去作の要素を取り入れて進化した戦闘システム

2つめの魅力として紹介するのは、過去作の要素を取り入れて進化した戦闘システムです。

大まかな仕組みは変わっておらず、オートアタックを行うキャラクターを操作しながらアーツコマンドを選んでダメージを与えていくというもの。

しかし同時に最大7人まで戦闘に参加できるようになったことで、仲間とコンボがつなぎやすくより爽快なバトルが楽しめるようになりました

黒ナマコ
黒ナマコ

操作キャラがやられてしまってもNPCがわりとすぐに助けてくれますし、過去作と比べるとかなり遊びやすくなった印象を受けましたね!

もちろん要素は多いですがチュートリアルが丁寧なので、プレイしながら少しずつ覚えていくことが可能です(後から見返すこともできる)。

その他にも、

  • 2人のキャラを「ウロボロス」に変化させ、一定時間ほぼ無敵で戦える
  • 主人公たちのクラス(職業)とアーツを任意で変更できる
  • 戦闘中に操作キャラクターを変更できる
  • 特定のクラスのキャラクターが仲間にいると、モンスターからアーツを奪って習得できる

など様々なシステムが追加されていました。

全体を通してプレイヤーが選べる選択肢が増えており、より自由度が上がったと言えるでしょう

このように過去作の要素を取り入れながら順当に進化した戦闘システムも、本作を遊んでいて楽しいと感じたポイントになっています。

とても広大なフィールド

3つ目の魅力として紹介するのは、とても広大なフィールドです。

本作のマップは開発者の方々曰く過去作「ゼノブレイド2」の5倍もあり、それでいて自然かつ綺麗に見えるよう作りこまれているのだから驚きました

基本的に目に見える場所のほとんどは行くことができますし、本編のストーリーとは違うサブクエストなどの寄り道要素も多数用意されています。

黒ナマコ
黒ナマコ

散策していると今のレベルでは絶対に勝てない強敵を見つけることもありますよ!

序盤のマップでも、ラスボス級の強さを持つモンスターが徘徊している。

また本作には「ヒーロークエスト」という新たな仲間を獲得できるクエストがたくさん実装されていたので、そちらを探してみるのも楽しかったですね

ただマップが広大になった一方で、目的地までの道のりが分かりにくくなったのも事実。

しかしこの問題も、オレンジ色の線でどう進めばよいか教えてくれる「ナビゲート機能」によって解消されています。

もちろんオンオフの切り替えはすぐにできるため、探索したいのに邪魔になってしまうということはありません。

このように広大なフィールドとそれを楽しませるための様々な配慮が、より探索を面白いものにしていると感じました。

「ゼノブレイド3」の気になった点

主人公たちの考えを掴むのが難しい

本作の主人公たち(特にノア)は、全体的に胸の内の多くを語りたがりません。

これは、ただムービーを見ているだけでは彼らの考えを言語化するのは難しいということを意味します

そのためプレイヤーはストーリーを楽しむために、このセリフからはこういうことが伝えたいのだろうと言う感じで、心情を想像しながらプレイしていく必要があります

黒ナマコ
黒ナマコ

イメージとしては、学校などで国語の文章を読んでいる感じでしょうか。

ムービーなどの後にキャラクターの独白パートがほとんどなく、どうやってその考えに至ったのかがわかりづらいため遊んでいて戸惑うことがよくありました。

すべてを語ることが必ずしも良いわけではないのですが、もう少しキャラクターごとに明確な心情描写をしてくれないと感情移入しづらいと感じましたね。

悪役たちの魅力が薄い

2つめに気になったのが、ストーリーで戦う悪役たちの魅力が薄いという点です。

過去作では敵キャラクターの数をある程度絞ることで、それぞれの活躍や背景が丁寧に描かれていました。

過去の出来事が原因で誤った正義を持ってしまったり、序盤から目的に必要なものを着々と集めて計画を進めていたり、主人公たちの大事な人たちの死を踏みにじったりなど…。

どのキャラクターも悪役または人としての魅力があり、だからこそ始めは手も足も出なかった彼らを倒した時の達成感もひとしおだったわけです。

一方で本作の敵役「メビウス」は非常に数が多いかわりに、大半が主人公たちの前に現れるとその場で退場することになってしまいます

黒ナマコ
黒ナマコ

イメージとしては、子供番組に毎週新しく登場する怪人のような感じでしょうか。

それぞれのバックボーンも語られずにただ主人公たちを煽ってやられていくことが多いため、倒しても達成感がなくすっきりしないことが多々ありました。

もちろんそうでない敵キャラクターもいましたが、性格がかなりねじ曲がっているためか信念のようなものを感じづらく、全体的にどうしても小物臭がぬぐえていなかったんですよね。

あくまで個人の意見ですが、メビウスの数を減らしてそれぞれをもっと丁寧に描いてほしかったと感じました。

ジェムの素材がどこで入手できるのかわからない

3つ目に気になったのは、ジェムの素材がどこで入手できるのかわからないという点。

ジェムとは他ゲーでいうアクセサリーのようなものであり、ステータスを強化したりスキルに倍率を乗せたりと様々な効果を持ちます。

このジェムを作成するには様々なモンスターの素材が必要なのですが、ゲーム内では素材の名前以外の情報は一切教えてもらえません

黒ナマコ
黒ナマコ

そもそもどのモンスターが落とすのか・そのモンスターはどの地方のどのエリアにいるのかなどを、すべて自分の手で探さなければいけないわけです。

ドロップアイテムが書かれたモンスター図鑑などもないため、一人で広いマップを探し回って目当てのモンスターを探せというのは、さすがに無茶ではないかと思いました。

正直ストーリーをクリアするだけならジェムはほとんど必要ないですし、代わりによく手に入るアイテム(コイン)を大量に消費することで作成することもできます。

しかしほとんどの箇所でユーザーフレンドリーが追求されていたので、この点が悪目立ちしているという印象を受けましたね。

Twitterでの他ユーザーの口コミ

良かったという口コミ

合わなかったという口コミ

レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人

以上を踏まえると、「ゼノブレイド3」は以下のような方におすすめです。

  • 壮大なストーリーの作品を遊びたい
  • 広大な世界を寄り道しながら冒険するのが好き
  • 過去作であるゼノブレイドシリーズのいずれかまたは両方を楽しく遊べた

一方で、以下のような方には合わないかもしれません。

  • わかりづらいストーリーはあまり好きではない
  • 過去作と同様に、悪役にも魅力的なキャラクターがほしい

「ゼノブレイド3」のレビューまとめ

「ゼノブレイド3」は、長年続いてきたゼノブレイドシリーズの集大成とも呼べる作品です。

もちろんすべてが完璧なわけではありませんが、ほとんどの部分の完成度が高くRPGとしては自信を持っておすすめできるゲームに仕上がっています

ストーリーも過去作とはほぼ独立しているので、本作からはじめても大丈夫

少しでも気になった方は、ぜひゼノブレイドの世界に足を踏み入れてみて下さいね!

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