今回は2022年9月9日に発売された「スプラトゥーン3」のレビューを行います。
本作は、任天堂の人気シリーズ「スプラトゥーン」の5年ぶりの新作となるタイトル。
イカと人の姿を持つ「インクリング」というキャラクターを操作して地形を塗り、4vs4で相手と戦うTPSゲームです。
多くの方に続編が待ち望まれていただけあって、発売後3日間で345万本という歴代最高売り上げ記録を打ち立てたとのこと。
しかし筆者はこれまでにスプラトゥーンを遊んだことがなく、本作にも少しだけ入りづらさを感じていました。
そこで今回はこのゲームを180時間以上遊んだ筆者が、シリーズ初見の目線から本作の良かった点・気になった点を解説します。

結論から言えば、初心者でも時間を忘れて熱中してしまうほどの面白さを秘めた神ゲーだと感じました!
もちろん始めは自分でも笑ってしまうほどの下手くそでしたが、少しずつ上達していき最高ランクのS+に辿り着けたときは非常に嬉しかったですね。
またライト勢に向けた様々な配慮もされており、こちらも本作を楽しく続けられた要因だと感じています。
結論から言えば、本作は以下のような方におすすめです!
- スプラトゥーンシリーズを遊んだことがない
- 対人ゲームで自分の腕を磨いて成長するのが好き
- シューティングゲームを楽しく遊べる
「スプラトゥーン3」の良かった点
エンジョイ勢・ガチ勢の両方が楽しめる対人要素

まず本作の魅力の1つ目は、エンジョイ勢・ガチ勢の両方が楽しめる対人要素です。
本作の対人戦には過去作と同様、塗った面積で勝敗を決める「ナワバリバトル」・指定のオブジェクトを相手陣地に運んでいく「ガチホコ」など計5種類のルールが用意されています。
それぞれが異なる戦い方を要求されるので、純粋に楽しいだけでなく非常に飽きが来にくいんですよね。

ただ、ナワバリバトル以外のルールでは塗りと同じくらい相手を倒して一定時間行動不能にする「キル」が重要なため、初心者がいきなり活躍するのは難しいです。
ところがこのシリーズにはコンピューター戦が無いため、過去作ではいきなりオンライン対戦に参加し、自分と味方のレートを犠牲にして相手にボコられながら強くなるしか方法がありませんでした。
しかし本作では「チャレンジ」「オープン」の2つのモードが選べるようになったことで、初心者でも気軽にナワバリバトル以外の4種のルールを楽しむことができるようになりました。


チャレンジは過去作と同様に勝ち負けによるレートの変動が大きいガチ勢向けモードである一方で、オープンはほとんど変動しないため初心者やエンジョイ勢にぴったりとなっています!
このゲームは基本的にチームの最終的な勝ち負けでしかレートが変動しないため、どれだけ強い人が頑張ってくれても自分のせいで負けてしまうことがあり得ます。
そのため、純粋に負けて悔しいのはもちろん味方に迷惑をかけて申し訳ないという気持ちから自己嫌悪になりやすいんですよね。
個人的には、ここが最もプレイヤーが離脱しやすいポイントだと感じています。
しかし「オープン」でプレイすれば例え負けても味方に迷惑がほとんどかからないため、自分がうまくなることに集中したりエンジョイ目線でプレイすることが可能。
こうすることで本来ならガチ勢とライト層の間に生まれるであろう軋轢が、うまく調整されていたのはさすがだなと感じました。
また本作では、バトルの新たな要素として表彰システムが導入されています。

これは「塗りポイントNo1」「トドメ数No1」など、チーム内でどのようにバトルに貢献できたのかを教えてくれる仕組みです。

勝った時に自分の活躍を確認できるのはもちろん、負けてしまっても褒めてくれることでストレスが軽減されています!
表彰されるとレートを上げるために必要なポイントも少しだけもらえるようになっているため、自分の頑張りが認められたようで嬉しくなるんですよね。
このように、ガチ勢・エンジョイ勢の両方に配慮したシステムを導入することで双方の軋轢を減らし、お互いに楽しめる作りになっていたのは非常に良いと感じました。
武器やスペシャルが豊富

2つ目の本作の魅力は、武器やスペシャル(必殺技)の種類が豊富な点です。
スプラトゥーン3には武器種だけで11種類の選択肢があり、それぞれの武器にも複数の種類があるため合計で50以上の武器を使用することが可能。
各武器に1つ設定されているスペシャルも15種類(うち10種類が新規)存在しており、それぞれが強力な性能を有しています。

同じ武器種でも性能や求められる立ち回りが異なるので、自分に合ったものを探すのが楽しいですよ!

また2022年11月現在は特定の武器が強すぎるといったバランス崩壊も起きていないため、どの武器を使ってもある程度戦いを楽しめるのも高評価なポイント。
もちろん多くのユーザーに使われている武器は存在しますが、8人中4人以上が同じ武器のマッチングになることはほとんどありません。
このように、ただ武器の選択肢が豊富なだけでなくバランスがしっかりしている点も、本作の大事な魅力だと感じました。
対戦以外のモードも楽しい

3つめの本作の魅力は、対戦以外のモードも楽しい点です。
本作には上記で紹介した対人要素以外にも
- オフラインで、マリオのように1つ1つのステージクリアを目指す「ヒーローモード」
- 他のプレイヤーと協力しながら、シャケを討伐して金イクラを集める「サーモンラン」
- ロッカーに設置できる「ステッカー」「オキモノ」などの収集要素
などの様々なモードが用意されています。

1つ1つのモードのボリュームも多く、やりこみ次第では一本のソフトに匹敵する時間を遊ぶことも可能ですよ!
特にヒーローモードは、過去作キャラクターと新登場キャラクターが織りなすストーリーも見どころとなっています。

イベントシーンもかなりの迫力となっているので、単なるチュートリアルと考えて遊ばないのはもったいないと感じました。
サーモンランにも、新たなオオモノシャケ(中ボス)や新アクション「イクラ投げ」が追加されたことで新たな駆け引きが楽しめるように。
もちろんここで紹介できていない要素も多数あるので、対人が苦手という方でも全く問題なくやりこむことができます。
「スプラトゥーン3」の気になった点
通信エラーが多い
本作を遊んでいて最も気になったのが、通信エラーが頻発する点です。
スプラトゥーン3では試合中やマッチング中問わず、少なくとも1時間に数回は通信エラーが発生します。
それだけなら気にせず対戦を続ければ良いだけと思われるかもしれませんが、問題なのは通信エラーとなった人は表彰無しの負け判定となる仕様。

本来は対戦中の回線切断防止のための機能なのですが、そのつもりがなくても強制的に負けにされた時は非常に精神にダメージを負いますね。
特に勝てそうな試合や、レートが大きく変動する「チャレンジ」モードで自分に通信エラーが起きた時は最悪です。
有線で遊んでも特に改善される様子はなかったため、おそらくサーバー側の問題ではないでしょうか?
また通信エラーの対象が自分でなくても、チームメイトが1人消えた瞬間から一方的な試合になりやすいです。

こうした試合で勝ってもすっきりしないですし、負けた場合は自分の時間が無駄になった感が非常に強いんですよね。
アップデートは頻繁に行われていますが改善されたとは言いづらいため、一刻も早く対処を行ってほしいと感じました。
ちなみに自分以外の人が通信エラーでいなくなった時は、負けてもレートが減らないという救済措置はあります。
一部のステージでは、長射程武器が強すぎる
本作の対戦ステージは、その多くが長方形のような縦長の形をしています。
横幅を狭くすることで相手と接敵しやすくし、白熱した打ち合いが楽しめるようになっているわけです。
一方で、スプラトゥーンにはチャージャーやスピナー(他ゲーでいうスナイパーのようなもの)という武器種が存在します。
これらは相手の攻撃が届かない場所から長距離狙撃ができる一方で、近づかれてしまうと弱いという性能になっています。
そして、この長射程武器と縦長ステージの仕様が合わさるとどうなるか。
結論として、裏どり(相手の陣地にひっそりと忍び込んで相手の背後から奇襲すること)がほぼ不可能な一方的な的当てゲームが開催されます。


よほど優勢でない限り短射程が長射程を倒すには裏どりがセオリーなのですが、その裏どりも丸見えなため容易に狙撃できてしまうんですよね。
このため、ステージによっては長射程武器がいるチームが圧倒的に有利という試合が存在します。
もちろんすべての試合がそうなるわけではありませんが、長射程を使っている人だけが一方的に相手を倒せるステージが多いのはかなり気になりました。
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
以上を踏まえると、「スプラトゥーン3」は以下のような方におすすめです。
- スプラトゥーンシリーズを遊んだことがない人
- 対人ゲームで自分の腕を磨いて成長するのが好き
- シューティングゲームを楽しく遊べる
一方で、以下のような方は十分に楽しめないかもしれません。
- ニンテンドースイッチオンラインに加入していない
- 自分の技量以外の要因で、勝敗を左右されることを極端に嫌う
- 過去作とは全く違う新鮮な体験を求めている
「スプラトゥーン3」のレビューまとめ
「スプラトゥーン3」はインクリングというキャラを操作し、地面を塗って相手と戦うTPS作品です。
初心者でも楽しみながら強くなれる環境が用意されており、シリーズ未経験でも問題なく楽しむことができました。
また対人要素以外のモードも非常に充実しているため、対戦が苦手でも十分やりこむことが可能になっています。
このレビューで少しでも気になった方は、ぜひ本作を遊んでみてくださいね!
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