今回は2022年2月24日に発売された「ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術師~」のレビューを行っていきます。
本作は今年で25周年を迎えるアトリエシリーズの最新作で、アイテムを作る錬金術×コマンドRPGというジャンルの作品。
時系列としては過去作である「ソフィーのアトリエ」と「フィリスのアトリエ」の間という、シリーズ内では異色のタイトルとなっています。
そのため長年のシリーズファンはともかく、シリーズをあまり遊んでいない方にとっては入りづらいのも事実です。
そこでこのゲームを40時間以上遊んだ筆者が、そのあたりも触れながら良かった点・気になった点について解説していきます。

結論から言えば前作の良さが正統にパワーアップしており、コマンドRPG好きなら誰でも楽しめる作品に仕上がっていました!
筆者は前作プレイ済みですが、物語の舞台が少し特殊なので新規の方でも十分に楽しめると思います。
つまり、このゲームは以下のような方におすすめです!
- コマンドRPGをよく遊ぶ
- キャラクターが可愛く、明るい雰囲気のゲームがやりたい
- 前作の「ソフィーのアトリエ」が好き
「ソフィーのアトリエ2」の良かった点
夢の世界を舞台にした、新規・経験者の両方が楽しめるストーリー

まず魅力の1つとして紹介するのは、新規・経験者の両方が楽しめるストーリーです。
本作の舞台となるのは、夢の神「エルヴィーラ」が作り上げた夢幻世界「エルデ=ヴィ―ゲ」。
エルヴィーラによって導かれた多くの人が暮らしており、老いることなく夢をかなえる努力ができる世界です(現実の時間の経過も無し)。
主人公「ソフィー」と彼女の相棒兼師匠の「プラフタ」は突如この世界に吸い込まれ、離ればなれになってしまうというのが本作の導入となっています。
そして特徴的なのが、過去や現在などそれぞれの人が元いた時代がバラバラである点。
こうすることで現在はソフィーと深い関係にある人物だとしても、改めて初めての出会いを描くことが可能になります。

これなら前作経験者の方なら一風変わったやり取りが楽しめますし、新規の方も置いていかれることはありません。

個人的にはソフィーが過去のプラフタに錬金術を指導したり、もう現実では会えない家族に弱みを見せるといった場面が印象的でしたね。
もちろん新登場のキャラクターも多く、それぞれの夢に焦点を当てたサブエピソードも充実していました。
このようにファンサービスを取りいれながらも、続編にありがちな入りづらさを払拭した物語は本作の魅力と言えるでしょう。
ちなみに、タイトル画面からは5分程度の前作ストーリーのまとめムービーを見ることもできますよ。

6人全員が参加する、マルチリンクターンバトル

次に紹介する魅力は、本作独自の戦闘システムである「マルチリンクターンバトル」。
土台となっているのはソフィー1のコマンドバトルですが、その仕組みは一新されています。
簡単にまとめると、以下のような感じ。
- 前衛3人・後衛3人の陣形を維持して戦う
- コマンドを選べるのは前衛の3キャラで、攻撃・スキル・ガードを行うとTP(テクニカルポイント)がたまる
- TPを使うことで、前衛と後衛のキャラが連続でスキル攻撃を行う「ツインアクション」・相手の攻撃を後衛キャラがガード状態で受けられる「サポートガード」を使用可能に
- ツインアクション・サポートガードを行うと、前衛・後衛のキャラクターが入れ替わる

要するに、戦闘中に前衛・後衛のキャラクターが目まぐるしく入れ替わって戦うということです!
今までのアトリエシリーズでは、魅力的なキャラクターが多い一方で戦闘に参加できるキャラは限られていました。
そのためスタメン以外の育成は後回しになるか、そもそも使わないという場面も多かったんですよね。
しかし本作のシステムなら前衛・後衛の面子が固定化されることなく、メンバー全員が戦闘に参加することができます。
もちろん装備を準備する手間は増えますが、一部のキャラしか使えないのが毎回残念だったのでこれは嬉しかったですね。
それぞれのスキル演出や、二人で繰り出す超必殺技「デュアルトリガー」が作りこまれていたのも好印象なポイント。

このように前作より爽快感が増し、パーティ全員が参加できるようになったバトルも本作の楽しかった点です。
ちなみに戦闘中にバトルスピードを変更できるなど、ユーザーインタフェースもしっかり追求されていました。
シリーズの良さを引き継いでパワーアップした採取・調合
3つ目の魅力として紹介するのは、シリーズの良さを引き継いでパワーアップした採取・調合です。
フィールドで様々な素材を採取し、その素材を用いてアイテムを調合するというシステムは従来と同じ。
しかし2つの要素の両方に、新しい試みが見られました。

まず採取には、鎌など対応する採取道具を用いて行う「大採取」という要素が追加。
これは特別な光を放っている素材を採取する際にミニゲームを行うことで、獲得する素材に対して品質を高める・属性を追加するといったボーナスを付与できるシステムです。

調合の際に目的の効果をつけたい時は属性が大事になってくるので、大採取を駆使すれば序盤から強力なアイテムを作ることも可能になりました!

また本作のフィールドには天気の概念が存在しており、晴れ・雨・雪・雷の場合でとれる素材や出現する魔物が変わります。
天候を道具で変えれば同じフィールドでも全く違う素材が手に入ることもあるので、採取の楽しみが過去作より増えていると感じましたね。
次に調合は、前作から継承された「パネル調合」です。
これは素材が持つ属性の力「錬金成分」をパネル上に配置していき、その配置次第で完成するアイテムに様々な効果が付くというもの。

ここまでは前作と同じですが、本作では
- 錬金成分の一部にリンク成分という要素が追加
- リンク成分を隣接して配置できれば、対応した属性の効果がより大きく上昇するなどのメリットがある
- パーティーメンバーとの友好度によって、調合の際に協力スキルが発動する
という要素が追加されました。


他にも主人公のソフィーだけでなくプラフタでも調合ができる点も、今までにない試みで面白かったですね。
このようにシリーズの良さを受け継ぎながら新要素が加わった採取・調合も、よりゲームに中毒性を生み出していると感じました。
「ソフィーのアトリエ2」の気になった点
モンスターが色違いばかり

まず気になったのが、登場するモンスターのほとんどが何らかの色違いである点。
もはやアトリエシリーズ恒例なので仕方ないのかもしれませんが、デザインが使いまわされていることが非常に多かったです。

シリーズのマスコットである「ぷに」はともかく、ストーリーの大ボスだけでも全て違う姿にしてほしかったですね…。
行動パターンも似ているものが多いので、RPGの醍醐味である新たな敵と戦うワクワク感はあまり感じられませんでした。
ただ魔物図鑑に書き込まれるキャラクターの一言コメントはそれぞれ違うので、それを読むのは楽しかったです。

雑魚敵のオーラが面倒

次に気になったのが、雑魚敵のオーラが面倒という点。
本作では相手モンスターの特殊行動の1つに「オーラ」があります。
オーラを張っているモンスターはダメージが大きく軽減されるため、張られたらオーラの耐久値を削って解除するのが基本的な戦い方です。
種類も様々で例えばウィンドオーラなら、風属性攻撃では耐久値が減らない代わりに雷属性攻撃では一気に削ることが可能。
これ自体は戦闘のスパイスとして面白いのですが、厄介なのが通常モンスターのほとんどもオーラを使ってくる点です。

全体をまとめて攻撃してもオーラを張っている個体だけ生き残るということが多く、少し面倒に感じましたね…。
これによって特定のモンスターを複数匹倒す依頼を行う時は、よほど相手より強くないと全体攻撃→残った個体のオーラを破壊→撃破という工程を毎回行わなければなりません。
個人的にはオーラは強敵のみの特権にした方が、雑魚戦のテンポが上がってよいのではと感じました。
クリア後要素が少ない

最後に気になったのが、クリア後要素の少なさ。
本作は周回要素を除くと、クリア後限定のコンテンツは強化されたストーリーボスとの再戦のみとなっています。

強さの面でも前作ソフィーの裏ボスの圧倒的な凶悪さと比べると、どうしても物足りなさを感じましたね…。
アプデはまだまだ予定されてるようなので、そちらに期待したいところです。
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合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
以上を踏まえると、「ソフィーのアトリエ2」は以下のような方におすすめです。
- コマンドRPGをよく遊ぶ
- キャラクターが可愛く、明るい雰囲気のゲームがやりたい
- 前作の「ソフィーのアトリエ」が好き
逆に、以下のような方には合わないかもしれません。
- 過去作とは全く違うシステムを期待している
- RPGではクリア後要素を重視する
「ソフィーのアトリエ2」のレビューまとめ
「ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術師~」 は、錬金術×コマンドRPGというジャンルの作品です。
アトリエシリーズ25周年記念作品ということもあり、RPGとしてのレベルもかなりのもの。
ユーザーインタフェースの追求や連作にありがちな入りづらさの解消も行われているため、アトリエを遊んだことがない方でも問題なく楽しむことができます。
これからも進化していくシリーズだと思うので、この機会にぜひ遊んでみて下さい!
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