今回は2021年5月21日に発売された「ミートピア(Miitopia)」のレビューを行っていきます。
本作は顔のパーツを選んで作成する、人間型キャラクターMii(ミー)を登場人物にして遊ぶコマンドJRPG作品。
元は2016年に発売された3DSソフトでしたが、見た目とは裏腹な奥深いゲーム性で多くのファンを生み出しました。
今回はswitchへの移植になるわけですが、新要素がいくつか追加されています。
特に新要素の1つである「メイクとウィッグ」を駆使すれば、漫画やゲームのキャラクターそっくりのMiiを作ることも可能に。
好きなキャラクターたちを組み合わせた、自分だけのクロスオーバー作品にすることもできるようになりました。
そこで今回は40時間以上遊んだ筆者が、このゲームの良かった点・気になった点について解説します。

結論からいえば、しっかりと調整されたゲームバランスによって幅広いユーザーが楽しめる良作だと感じました。
ストーリークリアまでは誰でも気楽に楽しめますが、クリア後要素ならRPG経験者でもハラハラするバトルを味わえます。
このゲームは以下のような方におすすめ!
- 明るい雰囲気のRPGがやりたい
- Mii作成など、キャラメイクが好きである
- 自分の好きなキャラクター・人物などを登場させて冒険したい
「ミートピア」の良かった点
「見守り」を主体とした、独自のバトルシステム

まず良かったと感じた点は、「見守り」を主体とした独自のバトルシステムです。
本作のバトルシステムは仲間4人で戦うコマンドバトルとなっています。
仲間は「戦士」などの職業につくことができますが、「花」や「戦車」など他のゲームでは見かけないジョブが結構あるのもポイント。
そして戦闘システムは少し説明が難しいのですが、まとめると以下のような感じになります。
- 自キャラ以外の仲間に命令することはできない(AIによるランダム行動を行う)
- プレイヤーは「ふりかけ」「安全地帯」というコマンドを任意のタイミングで使用できる
- ふりかけはHP・MPを回復したり、次の攻撃を無効にしたりなど様々な効果を持つ(量に制限があり、宿屋で回復)
- 安全地帯に入れたキャラは敵の攻撃を受けず、そのままターンが回ってくるとHP・MP・状態異常が回復する

仲間に命令できないぶん、体力が不安なキャラを相手にターンが回る前に安全地帯に移すなど、独自の戦略性が求められて面白いと感じました。

特に後半はごり押しが難しくなり、上記のコマンドを駆使しないと相手の攻撃を耐え切れなくなる絶妙なバランスになっています。
その他にもMiiたちの仲が良いと良いことが起きる「好き行動」や、反対の影響を与える「ムカムカ行動」なども、戦闘中にランダムで発生。

状況が大きく変わることもあるので、仲間たちの行動中もハラハラしながらバトルを楽しめます。
従来のコマンドRPGにない「普段は見守り、時に手助けする」という戦闘システムは、このゲーム独自の魅力の1つです。
Miiたちによる、ちょっとゆるい冒険ストーリー

次に魅力的だと感じた点は、Miiたちのゆるい冒険ストーリーになります。
本作のストーリーの冒頭は以下の通り。
「ミートピア」と呼ばれる世界では、Miiたちが平和に暮らしていました。
しかしある日、Miiたちの顔が何者かに奪われるという事件があちこちで発生。
時を同じくして、Miiたちの顔がついた怪物が世界中に出現するようになりました。
主人公はミートピアを救うべく、元凶となった大魔王を倒す旅に出ます。

大筋はザ・RPGという感じですが登場人物たちのノリが明るいので、軽い雰囲気で楽しめますよ。
例えば主人公たちは世界を救う旅をしていますが、魔王に特別な因縁があるわけではありません。
旅の中では打ち上げやキャンプをしたりもするので、ほとんど暗い雰囲気にならずに物語を味わえます。

行く先で出会う人々も、常に肉を食べている王様や願いを叶えないランプの魔人など、思わずクスっと笑えるキャラクターが多めです。
とはいえボリュームは結構あるので、普通に遊べばクリアまで20時間以上はかかるはず。
後半には大きなどんでん返しもあったため、最後まで飽きずに遊ぶことができました。
明るいノリながらもRPGらしい緩急のあるストーリーも、遊んでいて良かったと感じたポイントです。
新要素「メイク」「ウィッグ」によって、Mii作成の幅が大きく増加!
続いて良かった点として紹介するのは、本作独自の新要素である「メイク」と「ウィッグ」。

メイクはその名の通り、化粧をすることでMiiの見た目を大きく変えられる機能です。
用意されているパーツを駆使すれば、1から新たな顔を作ることもできます。

もう1つのウィッグは、髪色以外にも前髪やアホ毛を細かく設定した「かつら」をMiiに着けられるものになっています。

この2つの機能を駆使すれば、今まで作れなかった漫画やゲームのキャラクターそっくりのMiiを作ることも可能になりました!
マリオそっくりのMiiを戦士にしたり、リンクに似たMiiを魔法使いにするなど、普段とは違う配役を当ててみるのも面白いですよ。
さらに「Nintendo Switch Online」に加入していれば、ネット上に公開されている超クオリティのMiiを自分のゲームに取得可能。
twitterなどを探せば様々な方が「鬼滅の刃」「ウマ娘」など人気シリーズのキャラクターそっくりなMiiを公開されています。

アクセスキーというものが必要ですが、いろんな方のMiiを使えば自分で作るのが苦手でも十分に楽しめます。
少し脱線しましたが、Mii作成の幅を大きく広げた「メイク」と「ウィッグ」は、本作を語るうえで外せない要素と言えるでしょう。
やりこみ要素が充実している!

本作はRPG作品として、やりこみ要素がかなり充実しています。
クリア後には、今まで行けなかった新エリアやダンジョンがオープン。
その中でも終盤の高難易度ダンジョンはかなり難しく、レベルや装備によるごり押しクリアはほぼ不可能です。

先程説明した「安全地帯」や「ふりかけ」を駆使することが必須になるので、なかなか気が抜けないバトルを楽しむことができました!
正直な話、ストーリーよりクリア後要素の方が攻略まで時間がかかりましたね。
他にも勲章や食べ物集め・マップ埋めなどが用意されており、ストーリーが終わっても長く遊ぶことができます。
緩い雰囲気とは裏腹にしっかりとやりこみ要素が用意されていた点は、RPG好きとして嬉しかったです。
「ミートピア」の気になった点
「風邪」の頻度が高くて面倒くさい

本作の仕様として、「風邪」というシステムがあります。
これは戦闘をクリアして宿屋に戻ってきた際に、仲間の誰かが風邪をひくというもの。
風邪になったキャラクターはパーティーに加えることができなくなり、治すためには他の元気なメンバーで一定の経験値を稼ぐことが必要になります。
風邪そのものはいろんなキャラを使わせる手段として面白いとは思うのですが、とにかく頻度が高いのが難点。

ボス戦前に主力が風邪で使えない・レベリング中のMiiが風邪をひいて作業が止まるなど、正直かなり面倒くさいと感じました…。
クリア後はさらに感染率が上がり、短いステージを周回していると体感10分に1度は誰かが風邪をひきます。
同じキャラが2回連続で選ばれることもあるので、もう少し何とかしてほしかったのが本音。
誰かが風邪の時にしかできない何か(クエストやアイテム)を用意するなど、イベントのメリットも用意してほしかったですね。
デメリット100%かつ高頻度の「風邪」イベントは、悪い意味でかなり気になりました。
Miiの配布や取得が、外部のSNS等に依存している

先ほど、本作では「アクセスキー」というものを使えばネット上からMiiを取得できると説明しました。
しかしネットからMiiを取得する方法はこれだけなので、特定のMiiが欲しい場合は自力でtwitter・Youtubeなどを探す必要があります。

一応フレンドからMiiをもらえる機能もありますが、ミートピアを遊んでいるフレンドがいなければ全く役に立ちません。
ゲーム内で、Miiを検索したり公開できる提示版みたいな機能が欲しかったですね。
外部ツールに依存している「Miiの配布・取得」も、少しだけ気になったポイントです。
twitterでの他のユーザーの口コミ
良かったという口コミ
合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
以上を踏まえると、「ミートピア(Miitopia)」は以下のような方におすすめです。
- 明るい雰囲気のRPGがやりたい
- Mii作成など、キャラメイクが好きである
- 自分の好きなキャラクター・人物などを登場させて冒険したい
逆に以下のような方には合わないかと。
- 本格的なRPGらしいストーリーやバトルを楽しみたい
- キャラの配役をいじることにあまり興味がない
「ミートピア(Miitopia)」のレビューまとめ
「ミートピア(Miitopia)」は人間型キャラクターMii(ミー)を登場人物にして遊ぶコマンドJRPG作品です。
可愛らしい見た目とは裏腹に、絶妙なゲームバランスによってRPGとしての完成度は高め。
新機能の「メイクとウィッグ」によって、漫画やアニメのキャラクターそっくりのMiiが作れるようになったのも面白いポイントとなっています。
もちろん、家族や友達など知り合いのMiiを登場させるという従来の遊び方でも面白いですよ。
幅広いユーザーが楽しめる作品となっているので、少しでも気になった方は遊んでみて下さいね!
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