今回はリゼロ2期最終話である、第50話の補足・解説を作者のtwitterと原作を参考に行っていきます。
感動の最終回となりましたが、大事な情報がいくつかカットされていました。
気になる点があった方は、ぜひご覧になって下さいね。
多兎戦について

開幕にスバルとベアトリスが、多兎に対し使っていたのは「エル・ミーニャ」という魔法。
ミーニャは陰属性の攻撃魔法で、エルは下から2つ目の威力を表します(通常→エル→ウル→アル の順)。
この場面で、恐らく視聴者が抱いた疑問は

「スバルはゲートが壊れたはずなのに、なぜ魔法が使えるの?」
だと思われます。
それに対する答えは以下の通り。
「スバル、精霊使いのお勉強なのよ。ーー本来、精霊使いは自分の内なるマナじゃなく、大気中のマナに直接干渉して魔法を使うかしら。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p244より
実際はこの2人の場合は違うのですが、契約によってスバルのマナが急増したりゲートが回復したわけではないことだけ、知っておいてください。
続いて多兎の撃退法は、一度に一匹残らず仕留めることだと説明されました。
そこでスバルはミーニャによって多兎全体を囲む檻を作り、エミリアが魔法によって地面ごと檻を空に浮かせます。

そしてベアトリスによる陰属性の究極魔法「アル・シャマク」によって、兎達は檻と共に異界送りにされました。

最終的に彼らは二度と出てこられない異界の檻で、増殖と共食いを繰り返すという終わりを迎えたことになります。
これにて多兎は撃退完了、二期の全ての脅威は取り除かれたことになりました。
ロズワールの正体と、棺のエキドナについて

墓所の場面でロズワールは魂の転写に成功し、何代もAロズワール(回想に出てきた初代)の魂を受け継いできたことが明かされます。
つまり、肉体は違っても魂はずっと初代のものだったということ。
エキドナの不老不死研究の失敗は、リューズ・メイエルを『聖域』の核とした流れで生じた副産物、複製体を有効利用しようとした知識欲の誤りだ。
結局、空の器に別人の魂は定着できず、研究は失敗ーーそれを、ロズワールはやり遂げた。
初代ロズワールから綿々と、メイザースの子孫の肉体に乗り移り、今代へ至ったのだ。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p267より

今までの一連の行動も、中身が初代だったと思えば説明がつきますね。
その後、ベアトリスがロズワールをぶってから二人で眠るエキドナを見つめます。

これは作画崩壊ではなく、ロズワールとベアトリスが接していたエキドナはこの姿をしていたという意味です。
ではなぜ、墓所の試練に現れた精神体のエキドナは若かったのか。
これについては後ほど語る、エキドナのその後の項目で考察しています(原作などでの説明は無し)。
ともあれ、エキドナと別れてから距離が空いていた二人の関係は、これである程度修復されました。
ロズワールのけじめと、ベアトリスの欠点について

みんなに禊(みそぎ)として殴られた後、誓約と師に誓って二度とスバル達を害さないと誓ったロズワール(ラスボスだったはずなのに威厳が…)。
最終的に謝罪をしたことで、エミリア陣営での彼の悪事は手打ちとなりました。
ちなみに原作ではこの場面の後、ベアトリスがスバルに自分の欠点を話す場面があるのでそのやり取りをご紹介しますね。
「ベティーの欠点は……その、まず、契約者を独占してしまうかしら」
「早い話、ベティーと契約した精霊使いは、他の精霊や微精霊と契約できなくなるかしら。例外は、一切ないのよ」
「つまり、契約リソースを使い切るってわけだな」
「えっと、これはちょっと恥ずかしいんだけど……ベティーはその、燃費が悪いのよ」
「あれ?でもお前、そんなこと言うわりに多兎にガンガン大魔法連発してたよな?」
「あれは、長いことベティーが溜めこんでたマナから賄ったかしら」
「貯金はどのくらいある?」「ーーないのよ」「……うん?」
「だから、ないかしら。四百年分の貯金、初陣で全部ぶっ放したのよ」「ってことは……魔法使えない精霊と精霊使いのコンビが誕生しただけか!?」
「ま、まぁ、そういう風に言えなくもないって感じなのよ」
「お前これ、急に先行き不安になったぞ!?大丈夫か!?」「えへぺろ、かしら」「笑えねえよ!!」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p295~297より
いろいろなセリフがありますが、まとめると
- ベアトリスは貯蓄を使い切ったため、今後はスバルの少ないマナを使うしかない
- スバルは他の精霊と新たに契約を結べない
ということになります。
つまり、スバルとベアトリスが今回のように強力な魔法で無双する展開は二度とないという意味。
ベアトリスの簡単な魔法のサポートはありますが、スバルはこれからも弱い己の身を削って戦っていくことになります。
騎士叙勲の前のロズワールとスバルの会話について

ロズワールは最終目的である、エキドナの復活と再会を諦めたわけではないことを明かします。
ここを補足すると以下の通り。
「幸い、エミリア様を王座に就ける君の目的は、私の目的に至る道筋と重なっている。依然として、私にとって君は共犯関係を継続できる相手なわけだ」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p310より
- 例え本の導きがなくても、エミリアを王位に就かせることはエキドナの復活につながっているため諦めない
- 失わずに自身が傷つき続けることを決めたスバルに対し、今後一切の妥協を許さない
しかし最終的には、ロズワール自身がすすんで凶行に及ぶ可能性は無くなったと言えるでしょう。

絶対に魔書の導きに従わなければならないと考えていた彼にとって、やり方を変えることは非常に大きな変化です。
ちなみに、ここでも重要な伏線がカットされています。
「王都と今回で二度、『腸狩り』に依頼したのは私だ。だが、地下につながれている少女……『魔獣使い』の二度の襲撃は、私の差し金とは無関係だよ」
「それは、エルザとメィリィが仲間だったからだろ。依頼を手伝ってもらったとか、そうじゃなきゃ、いったい誰が、屋敷の中の事を……」
「ーーつまりは、今回の襲撃を企てた犯人は、私以外にもいるということだーぁよ」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p312~313より
ガーフィールvsエルザ戦でメィリィが言及した「ママ」という存在がカギになっていそうですね。
このタイミングでの騎士叙勲の理由

アニメの最終話としてはピッタリな騎士叙勲式。
しかし、なぜ様々なことがあったこのタイミングで行ったのかについて、原作では以下のように説明されています。
ーー騎士叙勲は、スバルが喉から手が出るほど欲した、エミリアの隣に立つ資格だ。
ロズワールがこれをスバルに許し、式典を開いたことにはいくつかの理由がある。
白鯨と大罪司教『怠惰』を討伐した論功式、これが近く王都で開かれることや、その式典で名前の挙がるスバルに箔を付けておくためなど。
究極的には、スバルがエミリアの騎士になったと内外に知らしめるため、だ。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p306より
要するに、王都でスバルの名前をより広く宣伝するためということになります。
騎士叙勲の後は、過去の話をすることに不安を覚えるエミリアをスバルがどんな話でも大丈夫だと説得。
そして二人で知りもしないダンスをでたらめに踊って、最終回は終了しました(サブタイ「月下、出鱈目なステップ」の回収)。
補足その1|ミロード家の人たちについて

ここからはおまけの補足になります、まずはミロード家当主「アンネローゼ・ミロード」について。
彼女の詳しい生い立ちは、リゼロ1期DVD特典小説「隠れ里の鬼姉妹」にて語られています。
本編に影響がありそうな範囲で、簡単に彼女の説明をすると
- 9歳にしてミロード家の当主
- エミリアのことが大好き
- エミリアにチューで子供ができると教えた人物
といった感じ。
アンネローゼ・ミロードーーそれが焼けたロズワール邸に代わり、スバルたちがひと月ほど身を寄せている屋敷の主の名だ。ロズワールの遠縁で、以前、エミリアたちとも親交があったとのことで、滞在中は非常に良くしてもらっている。
「精神的には、アンネとエミリア様にそれほど大差はないよ。むしろ、ませたところのあるアンネの方が、エミリア様より年上っぽく振る舞えるかもね」
「でも、あいつがエミリアたんにチューで懐妊って知識を与えた恨みは忘れねぇぞ」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p307

つまり、パックは恨まれ損ってことになりますね。
ただ、彼女よりはるかに大きなカギを握っていそうな存在がこの場面に登場していました。
それが以下の人物。

このモノクルをした青髪の青年の名前は「クリンド」。
彼に関する情報を簡単にまとめると、以下のようになります。
- ミロード家に仕える執事の一人
- 精神が幼いものを好むという特殊なロリコン
- 作者によれば、ロズワールとは400年の付き合い
- 外伝「Golden Sibilings」で憂鬱という言葉を使いながら、へクトールに似た能力を使用して相手を圧倒した
特に最後の2つの情報はかなり重要。
恐らく何らかの手段でへクトールを撃破し「憂鬱」の魔女因子を奪った、などの考察が可能です。
ただ原作でも詳しくは描かれていないので、この先彼がどういう動きをしていくのかは予想できません。
こういう存在がスバル達の身近にいる、とだけ覚えておけば良いかと。
補足その2|エキドナのその後と再臨
さんざん匂わせていたのに、アニメでは説明がなかったエキドナのその後。
結論から言えば、結界の核となったリューズ・メイエルの肉体で「オメガ」と名乗り現世に復活を果たしました(オメガは最後を意味します)。
その経緯は以下の通り。
結界の核となった少女の肉体に、同質の魂を持つ複製体を強引に重ねた結果だ。過去に一度、墓所へ入った複製体の内側に魂の一部を植え付け、少しずつ支配を進めた。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p307より

49話でシーマの体でエキドナのしゃべり方が出ていたのは、魂の支配がほとんど完了していたからですね。
かつて、エキドナの魂は空の器(複製体)には定着しませんでした。
そこで彼女は、シーマの魂(と自分の魂)・リューズ・メイエルの肉体を使って魂の転写を成功させたというわけです。
おそらく、これが彼女の精神が若返っていた理由だったのではと筆者は考えています。
つまり魂を分割して幼いシーマの肉体に移すことが、精神年齢に若返りの影響を与えたのではないでしょうか?
その後彼女は、これからの不安材料を一人語りで述べて原作15巻は終了します。
「ベアトリスは禁書庫を離れ、ロズワールは道しるべを無くした。だが、燃え残りを拾った青年や、怒りを内に溜めこむガーフ……ガーフィールといい、燻る火種は殊の外多い。それらに彼がどう向き合っていくのか、影に日向に甲斐甲斐しく見守るとしようか」
意図的に、心をささくれ立たせる少女のことは話題にせず、歩き出す。
ーー『魔女』は再び、世界に解き放たれた。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p323より
彼女のその後は、外伝である「Re:ゼロから始める異世界生活 短編集6」に描かれています。
ちなみに、この復活のくだりは「小説家になろう」にて無料で読めるので興味のある方はコチラからどうぞ。
まとめ
感動的にまとまった2期に対して、一ファンとしては大満足です。
3期はまだ情報がないですが、きっと作成されると期待しています。

3期の話はこれでもかっていうぐらい戦闘がもりもりなので、アニメなら映えること間違いなし!
いつか来る日を楽しみに待ちましょう。
それでは今回はここまで。
ちなみにアニメの続きの原作に興味がある方は、こちらをどうぞ。
コメント