神回としてtwitterをにぎわせたリゼロ48話。
今回はこのお話を、原作と作者のtwitterなどを元にネタバレを控えて解説・補足していきます。
まだ見てない方は、先に本編をご覧になって下さいね。

きっと圧倒されて、語彙力が消滅するはず…
それでは参ります。
ギルティラウを撃退したのは、オットーがもともと大量に持っていた油

ギルティラウの撃退に役立ったのはスバルの現代知識…ではなく、オットーが大量に持っていた油でした。
一期の終盤で、スバルがペテルギウスを倒すために使用したのと同じ油です。
ギルティラウを追い払うことに成功しましたが油の量が多すぎたため、ロズワール邸は大きな火事になってしまいました。
スバルが火事の中で無事にベアトリスを連れ出すことができるのかは、次週以降のお楽しみです。
第3の試練でエミリアが聞いた声について

第3の試練「いずれきたる災厄に向き合え」は、恐らく未来を見てもなお前に進む意思を持ち続けられるかが試されると思われます。
そしてエミリアが見たのは、彼女自身の行動によって起こり得る様々な悲劇の光景(ミネルヴァの言葉からの推測です)。
作者いわく今後の展開の先出しとのことですが、原作では未だどのシーンも実際には登場していません。
一応この場面でカットされたセリフも結構あるので、どれが誰のセリフなのかも合わせて紹介しておきます(カット部分は赤字)。
まずは始めに登場したエミリアのシーンから。

「嫌い、嫌い、大嫌い。私、あなたのことが大っ嫌い。本当よ。全部、本当。初めて会ったときからずっと……たまらなく、あなたのこと、嫌いだった」
異常に大きな太陽、煙の立ち込める焼け野原、朽ちた巨大な建造物の傍らに佇み、真っ赤な日差しを浴びて、銀色の髪を血に染める少女ーエミリアだ。
第二の『試練』で目にしたばかりの、成長した自分が血塗れで立っている。
「何度も思ったし、何度も否定したけど……でも、やっぱり悪夢に追いつかれちゃった。だから、言うわ」
その血染めの顔に、微笑が生まれる。この世で最も、憎い誰かに向ける微笑が。
「私たちやっぱりー出会うべきじゃなかったのかもしれないね」
頬を伝い、顎から滴る雫が血に濡れた大地へ落ちる直前に、世界が弾け、消える。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p97~98より
この情報だけだと、恐らくスバルに対して言っている以上の推測は不可能ですね。
続いて流れてくるのが以下のセリフ。
スバル「お前の、言う通りだよ。あの子は俺たちの敵で、傷だって深かった。ここで引き上げたところで、治癒魔法も使えない俺とお前じゃ助けられなかったかもしれない」
ラインハルト「それなら……」
ス「でも、あの子はまだ子どもだった。ーそれだけで十分じゃないのか」
ス「お前は……お前は、英雄だよ。英雄にしか……なれない……っ!」
ラ「僕は」
ス「助けてくれて、ありがとうよ!!」
顔を背け、手を差し伸べる影にもう一人の影が感謝の言葉を投げやりに告げる。
ー決別、それは耐え難い悲しみと、取り返せない失意に彩られた別離の瞬間だった。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p100より
敵だった子供を見捨て、何らかの目的を優先したラインハルト。
子供を助けようとしたスバルは、ここで彼と決定的に決別をしたのでしょう。

敵だった子供と聞いて真っ先に思いつくのはメィリィですが、詳しくはわかりません。
ここから先は怒涛のセリフラッシュになります。
ヴィルヘルム「–がなければ、剣も触れぬか、盗人がァ!!」 (省略部分は加護に聞こえました)
成長したペトラ?「スバルもエミリア姉様も疲れちゃったよね。ごめんね。なのにわたしまで重荷になっちゃう。ごめんね。ずっとずっと足りないお礼を言い続けてあげたかった…」
ロム爺「うむ、うむ……儂の、自慢の孫は……良い子に、育ったじゃろう……」
アル「ごめんなぁ。俺が弱いせいで、ごめんなぁ。殺してやれなくて、ごめんなぁ。これでもうずっと、ーは永遠に独りだ。俺が弱くて、ごめんなぁ……」
オットー「これで、約束を果たした気でいるんですか?だとしたら…だとしたら、僕はあのとき、あの洞穴で簀巻きになって死んでいればよかったんだ!こんな……こんな夜明けを見るぐらいなら、終わっておくべきだった!畜生、畜生!」
クルシュ「断じて、呪いなどというわけのわからないものに殺されるのではない!」
プリシラ「ほら、見よ。また、妾の勝ちじゃ」
ラム「これほど殺したいと思った相手が優しい人だったなんて、とんでもない悪夢だわ」
ユリウス「抗えぬ失意に膝を折り、剣さえ失って……この手に、いったい何が残るというんだ?」
アナスタシア「そんなにウチが欲張りなん?贅沢なこと言うてる?ただ、独りきりやないよって、独りきりになりたないよって……何が、そんなに難しいん?」
ガーフィール「約束通り、殺しッてやらァ!ああ!?ナツキ・スバルぅぅぅッ!!」
ロズワール「ただ、気付いただけだよ。……これまでの日々、一人で歩いてきたわけじゃーぁなかったということに」
フレデリカ「所詮、わたくしたちは血の一滴まで、贖いのために流し尽くさなくてはなりませんのね」
フェリス「どうして……魂が宿らないのぉ!?」
フェルト「正義だの善悪だの、全部ひっくるめてくだらねーよ。テメーはそこで足踏みしてろ。アタシは……アタシらは、魔女だろーが龍だろーが、道塞ぐんならぶっ潰す」
レム「ーお願いをするために祈るのは傲慢だと思うんです。祈るのは、許しを得るとき」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p101~104より
一つ一つは考察の域を出ないため、ここでは述べません。

一部のセリフを覚えておくと、いつか伏線が回収された時にわかるかも?
ミネルヴァとエミリアの関係について、恐らく母親ではない

試練をクリアしたエミリアの前に姿を現したのは、憤怒の魔女ミネルヴァでした(web版だとセクメトだったそう)。
エミリアが動かなかったのは、魔女のプレッシャー的なものに圧倒されたからです。
背後、唐突に届いた知らない声に驚愕し、エミリアはとっさに振り返ろうとしてーさらに驚愕が重なる。後頭部に指を当てられ、体が微動だにしなくなったのだ。
それは力で押し止められたわけではない。ー圧迫感に、萎縮したのだ。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p106より
そして会話の中で、自分の母はフォルトナ母様だと伝えた言葉がミネルヴァの心を打つことに。
圧迫感が消えたことで涙を拭ってあげようと振り向いたエミリアは、ミネルヴァの胸に抱きしめられます。
「泣く資格なんか、今はないの」という言葉と、彼女の態度から

ミネルヴァはエミリアの母親なのでは?
と考えた方も多いはず。
しかし、筆者は以下の理由からその可能性は低いと思っています。
- エキドナはエミリアの母親を露骨に嫌っていたのに、ミネルヴァに対してはそんなそぶりを見せていない
- 魔女が存在したのは400年前だが、エミリアの年齢が100歳前後なことを考えると当時は生まれていないはず
正直、現状ではミネルヴァが母親と何らかの知り合いという以上の推測はできません。
この場面で大事なのは、エミリアは最後までミネルヴァの顔を見ていないということ。
とりあえず今はこれだけ覚えておきましょう。
墓所の奥にいた女性は誰?

エミリアが墓所の奥に進み、結界の術式の近くにいたのはエキドナに似た女性。
アニメでは試練以外ではエキドナの顔を映さないようにしているので、少しわかりにくかったと思います。
以下がこの場面での原作部分。
それは『試練』で幾度も顔を合わせ、何度も言葉を交わした『強欲の魔女』ー、
ー彼女を思わせる出で立ちでありながら、エミリアの見知らぬ女性がそこにいた。
記憶に鮮明な魔女の容貌と、棺の女性との間には類似点が多い。ただ、エキドナが十代後半に見える年頃だったのに対して、この女性は二十代半ばほどー血縁なのは間違いなさそうだ。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p120より
ここに関しては、アニメの最終話で明らかになるはずです。
エキドナに似た誰かがいた、ということだけ知っておいてください。
屋敷での戦いについて

続いて屋敷でのバトルの細かい点を補足していきます。
まずはガーフィールの能力「地霊の加護」について、アニメで語られた効果はハッタリです。
「地に足がついてッ限り、目の届く範囲は俺様の射程ってなァ。言っとくが、余計な真似はさせねェ。てめェにも、そっちの妹にも、だ」
言い切り、ガーフィールは牙を剥く。が、『地霊の加護』はそこまで万能ではない。
大地に力をもらい、回復力を高める以外にも、確かに今やったように地面を隆起、陥没させることも可能だ。しかし、それはあくまで、自分の手足の届く範囲の話。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p120より
続いて両陣営の戦いが再開され、その中で獣化したガーフによって岩豚が撃破されました。
常に獣化すればよくない?と思われる方もいるはずですが、戦い方が単調になるというデメリットが存在しています。
その後ガーフがエルザの正体を吸血鬼だと看破し、エルザの殺し屋としての出発点が語られることに。
しかし実はこれもブラフで、エルザの不死身の秘密は「呪い人形」と呼ばれる呪術によるもの。
これは目標を殺すまで死なない体になる呪術ですが、回数制限があります。
そして戦いが進み、エルザは隠していたガラス片でガーフィールを攻撃しようとしますが、メィリィの悲鳴に気を取られることに。
そこにガーフィールの噛みつき攻撃が決まります。
エルザが最後にガーフィールの投げた岩豚の死骸を避けなかったのは、恐らく回数制限のせいで傷が癒えなかったからではないでしょうか?
エルザが潰されメィリィが拘束されたことで、屋敷での戦いは決着となりました。
凄まじい重量が女を、戮殺者を、吸血鬼を、『腸狩り』を、完膚無きまでに押し潰した。
魔獣の体液に混じって溢れ出す鮮血、復活の兆しなし。ー死が香る。
ガーフィールが雄叫びを上げる。それは高く、高く、焼け落ちる屋敷に轟き渡る。
ー『聖域の盾』と、『腸狩り』の戦い、ここに決着。
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p143より

怒涛の戦いのラッシュとbgmも合わさり、息つく暇もありませんでしたね。
ラム&パックvsロズワール戦について

最後はラム&パックvsロズワールの場面へ。
まず冒頭のパックとロズワールのやり取りを補足します。
「ボクが依り代から出づらくなったのは、王都から戻ってすぐだった。これだけなら、屋敷と村を襲った魔女教某(なにがし)の仕業かなって思ったけど、『聖域』にきても窮屈さは変わっていない。だから、術は敵じゃなく、身内がかけたはずだ」
「誓約の関係で、ボクは依り代から出てこられない時期が定期的にあるからね。少し前倒しになったけど、最初はそれかと思ってたんだ。でも、それは間違いだ」
「ボクの誓約を利用して、リアから保護者を排除したね。そのための術を、王都から戻ってリアに仕込んだはずだ。あの子は、ボクにべったりだったから」
「幸い、エミリア様はスバルくんとのケンカで気落ちしていましたからね。『聖域』へ出向く前に、あなたとエミリア様の契約に細工をするぐらいは容易い」
「一応、精霊と術師の契約は不可侵……簡単に外からいじれるものじゃないんだけど」
「これでも、長くベアトリスと過ごしてきましたからねーぇ。良くも悪くも、決まり事の裏を掻くのは得意なんですよ」
Re:ゼロから始める異世界生活 15巻 p150より
要約すれば2期になってパックが出てこれなかったのは、ロズワールのせいというわけでした。
続いてパックのセリフが「傷を覚えておくためか、それとも戒めかな」から、ロズワールは当時の記憶を覚えておくためにヘクトールの真似をしていることが明かされることに。
そして過去だけを見続け、現在を全く見ていないロズワールにラムは自分の想いをぶつけます。
ちなみにこのシーンは18話のレムのシーンのオマージュがたくさん入っていますよ。

二人の詳しい関係は46話の解説で行っているので、ご参考までに。
簡単にまとめるとこのシーンで明かされた通りの、以下のような関係です。
- ロズワールはラムが、自分のことを小さい時から変わらず憎んでいると思っている
- ラムはロズワールのことを昔は憎んでいたが、今は愛していて魔女の妄執から彼を解放しようとしている
そしてパックのサポートもあり、ラムは瞬間的な鬼化を使ってロズワールの叡智の書を奪うことに成功。
無事に本を燃やす目的は叶いましたが、ロズワールの炎弾が鬼化によって満身創痍のラムに直撃してしまいました。


果たしてラムは生きているのか、視聴者を驚愕に包みながらエンドロールが流れましたね…。
まとめ|リゼロ48話は紛れもない神回!
後半パートの二つの決戦・ラムのキャラソンのインパクトが圧倒的だった48話。
個人的にキャラソンは全く想定してなかったので、予想外の角度からぶち抜かれる形になりました。
前半にも情報がたくさん出てきたので、忘れないでくださいね…。
残り2話の期待値も上がったところで、今回はここまでにしたいと思います。
49話の解説も行っているので、そちらもよろしければ。
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