今回はリゼロ46話の内容を、原作や作者のtwitterを参考に解説・補完していきます。
一度アニメを見ていないとわからないこともあるので、まだ見ていない方は先にご覧になって下さいね。
それでは解説に移ります。
聖域の結界に引っかかるのは、ハーフの混血のみ

まずは始めの場面。
忘れてる人もいるかもですが、聖域の結界はハーフの混血にしか機能しません。
しかしこの話で明かされた通り、ガーフィールは半獣人と人間によるクォーターであり結界の対象外。
彼は自分の過去と向き合うまで外の世界を恐れていたため、結界の外に出ようとすることはありませんでした。
今は過去を乗り越えたため、外に出ることへのためらいが無くなった状態なわけです。
墓所の前での3人のやり取りと「役者」について

続いては墓所の前のシーン、始めはラムとエミリアのやり取りについてです。
このシーンでラムがエミリアにお願いした
- ロズワールを救うこと
- エミリアが王座につくこと
は同じことを意味しています。
まず、ロズワールの最終目的にはエミリアが王になることが必要。
しかし彼は叡智の書の記述から外れた場合、即座に世界の存続を諦めます(スバルに死に戻りを使わせようとする)。
つまり、ラムの主張は「叡智の書に頼らなくても、ロズワールの目的は叶うと教えてあげてほしい」というもの。

作中唯一のラムの涙声も合わさり、より切実さが伝わるシーンでしたね…
続いて二人の前にロズワールが現れます。

彼がここに来た目的は
- 魔書の記述に近づけるため、エミリアの心を折ること
- エミリアを怒らせて自分に攻撃するよう仕向けることで戦闘を始め、戦いのマナで多兎を呼び寄せて共倒れをすること
の2つだったと思われます(後者は筆者の予想です)。
以下がその証拠となる、作者のtwitterと原作でのエミリアが立ち去った後のロズワールのセリフ。
「エミリア様が挑発に乗って、私に危害を加えるようなことがあれば、早々に勝敗は決していたんだが……いささか、それは都合がよすぎたか」
自分を傷つけさせようとしていると、そう看破したエミリアの見立ては正しかった。一点、エミリアが見誤ったのは、それは罰を受けたいがための望みではない。
ーロズワールはただ、魔書の記述を成就するために最善を尽くしていた。
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p275より
ちなみにここで彼がラムにいった「君も役者なものだ」というセリフは、ラムのことを全く理解していないことが強調されています。
そして彼は聖域に多兎を呼び寄せるために、ガーフィールがいなくなり警備が甘くなった実験所へと向かいました。
ロズワールとラムの関係について

次の場面に行く前に、少しだけ二人の関係をおさらいしておきます。
ややこしいのですがロズワールが鬼の里を直接滅ぼしたわけではなく、あくまで事態を誘導しただけにすぎません(滅ぼしたのは魔女教)。
レムはツノ無しになったラムを救うため、ラムは取り逃がした魔女教徒への復讐を果たすために里に現れた彼に忠誠を誓いました。
しかし当時のラムはロズワールがやったことに薄々気づいていたので、敵意がむき出しだったんです。
人の想いが変わることがないと本気で信じているロズワールには、長年の間にラムの想いが復讐心→恋慕に変わったことに全く気付いていません。

こうして見ると、ロズワールって鈍感系主人公みたい…
ラムの恋心をロズワールが理解していないからこそ、二人のやり取りに若干のずれが生まれていたわけですね。
ラムの本当の目的

ラムとロズワールの交わした誓約は要するに『目的を果たすまでラムを利用する。無事に目的を果たすか、完全に頓挫した場合は彼女に身も心も差し出し復讐させる』というもの。
ロズワールは魔書の記述が頓挫したためラムが復讐に来たのだと思っていますが、これは彼の勘違いです。
ラムの本当の目的はエキドナ(叡智の書)への妄執からロズワールを解き放つこと。
そのために叡智の書を破壊する瞬間を、長年ずっと待っていました。
ロズワールは、『叡智の書』の保管場所を誰にも教えない。実在だけは確かな『叡智の書』は、常にラムの手の届かぬ場所に仕舞われていた。
その『叡智の書』が確実にロズワールの手中にある好機、それが訪れたのだ。
ーこのときをラムはずっと待ち続けていた。
まだ幼かった時分のラムは、鬼族を滅ぼした輩への応報にロズワールの手を借り、それを成し遂げたのちに誓ったのだ。ロズワールへの忠誠と、彼の願いを滅ぼすことを。
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p288より
こういう背景を踏まえて、ロズワールvsラム&パックの戦いが始まるわけですね。

ちなみに延長戦というのは、かつてロズワールがエミリアをエリオール大森林から連れだした時に起きた、パックとの戦いのことを指します。
咆哮の再会

二人の再会について話す前に、少しだけペトラについて説明させて下さい。
彼女が逃げる際に気がかりとなっていたのはレムの存在。
しかしフレデリカが話を誘導してエルザにターゲットを喋らせることで、即座にレムの存在が認識されていないと判断しました(まだ12歳なのに優秀な子です)。
そしてフレデリカではエルザに勝てないと判断し、ベアトリスを呼びにいったというわけですね。
ただ彼女はベアトリスを見つけることができず、泣いてしまいそうなところにスバルがやってきます。

決して強くはないけど、さすが主人公!と思える安心感がありました。
彼によってフレデリカの所に助っ人が行ったことが明かされました。
そこから最後の場面、二人の再開の場面に移ります。

原作でのこの場面のフレデリカの心境は以下の通り。
牙を剝き、フレデリカの言葉に反論するガーフィール。弟との10年ぶりのやり取りに、フレデリカはこんなときなのに信じられないほどの幸福感を覚えていた。
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p311より
フレデリカは手紙を送っていましたが、10年間ガーフは意地を張って一度も返事を返していませんでした。
ちなみに彼の厨二病の元になったのは、フレデリカが手紙と共に送っていた本だったそうです。
そしてガーフは彼女にレムを回収してその場を離れるように言います。
「二人で戦えばいいんじゃない?」と思われる方もいると思いますが
本物の、隔絶した強者だけがわかり合った戦場の感覚。自分が、その域に遠く及ばないことを理解して、フレデリカは悔しさに身を焼かれるようだった。
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p316より
ガーフが来るまで防戦一方だったことからも、彼女の力量では足手まといになってしまうということですね。
しかし彼女に対して、自分の強さの出発点は姉弟で一緒に走り出したことだ、と伝えるわけです。
姉に自分の精神的な成長も見せた後のガーフィールの決め台詞で、この場面は終了します。
気遣うような、慰めるような、そのどちらでもない声音に、フレデリカは離れていた弟の確かな成長を感じた気がして、胸が熱くなった。
姉の視線を背に受け、敵の期待を真っ向から受け止め、ガーフィールは前に出る。
「ーかかってこいや、黒女。『聖域』から出られた祝いだ。手始めに、最初の壁ってヤツを、俺が完膚なきまでにぶっ壊してやらァッ!!」
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p316より
補足:ガーフィールの能力「地霊の加護」について
ここからは補足で、原作ではこの場面の後に屋敷へ向かうまでの男三人組の作戦会議の様子が書かれています。
そこで明らかになるのが、ガーフィールの能力である「地霊の加護」。
簡単に言えば、地面に足をつけておくことでマナを吸収して回復ができる能力になります。
ただ竜車で移動しながらこの能力を使ってもらうと拷問のように見えてしまい、それをスバル達は心配していました(ガーフによれば痛くないそう)。
その様子が以下になります。
窓際にぶら下がり、ガーフィールは全力疾走する竜車の車輪のすぐ脇で地面に豪快に足裏を擦らせている。無論、無意味に拷問しているわけではないが。
「ともあれ、地に足がついていないと『地霊の加護』の効果はないと。ガーフィールに万全か、それに近い状態でいてもらうためには必要な措置と割り切りましょう」
「でもこれ、外から見たら竜車に乗り込もうとしてる奴を振り落とそうとしてるようにしか見えねぇよ。そして、その実態は十四歳の中二男子を引きずり倒してるの図だ」
「そういう言い方されると、外聞も実態も目を当てられないんですけどねえ!?」
万一、この姿を通報されて足止めなど食ってはたまらない。ーひとまずガーフィールの曲芸にはそんな意味があるのだ。
スバルたちとの激戦で負った傷は、エミリアの魔法で治療されている。しかし、体内から失ったマナや血、体力その他は完全には回復しきらない。それを『聖域』から屋敷までの移動時間で補うために、この一見非道な荒行が敢行されているのだ。
Re:ゼロから始める異世界生活 14巻 p319~320より
ストーリーに深く関わることは無いですが、ガーフがそういった能力を持っているということは知っておいてくださいね。
まとめ
次回からは解決に向けて、様々な場所で戦いが始まります。
それぞれの戦いの行く末や、スバルとベアトリスのやり取りなども楽しみに待ちましょう。
一応47話の解説も行っているので、興味がある方はぜひ!
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