今回は2021年11月19日に発売された「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」のレビューを行っていきます。
本作は名作と名高いポケモンのDSソフト「ダイヤモンド・パール」を、Switch向けソフトとしてリメイクしたもの。
ポケモン界で長年待ち望まれたタイトルである一方で、バグやグラフィックなどが原因で賛否が分かれている作品です。
そこで今回は90時間遊んだ筆者の感想として、このゲームの良かった点・気になった点について紹介していきます。

結論からいえばダイパの良さは再現されているものの、気になる点も多く全ポケモンユーザーにおすすめするのは難しいと感じました。
純粋に懐かしさ・新鮮さを感じながらダイパの世界を遊ぶなら問題はないですが、やりこみや対戦が目当ての方には合わないかと。
ただグラフィックに関しては、遊んでいくうちに慣れたのであまり気にはなりませんでしたね。
つまり、このゲームは以下のような方におすすめです。
- DS時代にダイパを遊んでいた
- 対戦などはあまりしない、ライトなポケモンユーザーである
- グラフィックや新要素の少なさが気にならない
ポケモンBDSPの良かった点
ストーリーの難易度がちょうどよい!

まず魅力の1つとして紹介するのは、ストーリーのNPC戦の難易度です。
本作の基本的なバトルシステムは剣盾と同じになっており、誰でも遊びやすくなっています。
- 相手を倒すと、手持ちのポケモン全員に経験値が入る
- なつき度によって、急所に当てる・状態異常を自力で直すなどのなつき行動を行う
- 相手と戦ったことがあれば、技コマンドに「こうかばつぐん」などの相性を表示してくれる
上記の仕様もあって、基本的にクリア直前まではサクサク進むことが可能になりました。
ではヌルゲーなのか?と聞かれると、決してそんなことはありません。
その理由はストーリーの最後に挑戦する「ポケモンリーグ」が、歴代シリーズでもTOPクラスの難易度を誇るからです。

弱点のダメージを半減する木の実・きあいのタスキなどのアイテム・積み技によるステータスアップなど、ガチ勢顔負けの戦術を使うトレーナーが多く登場。

「ちいさくなる」で回避率を大幅に上げて「バトンタッチ」でエースポケモンにつなぐという戦術をされた時は、思わず笑ってしまいましたね。
努力値もちゃんと振られているそうで、正直なつき行動がなければ危ない場面がかなりありました。
このように遊びやすさと終盤の歯ごたえを両立させた難易度は、本作の魅力の1つとなっています。
遊びやすさが向上した!

次に紹介するのは、本作の遊びやすさについて。
上記で紹介したバトル要素以外にも、オリジナル版にあった様々な要素が改良されています。
- ポケモンセンターに行かなくてもボックスにアクセスできる
- ひでん技を手持ちのポケモンに覚えさせる必要がなくなった
- 次の目的地がマップに表示されるようになった

特にひでん技は大きな変化!前作は手持ちのポケモンに8種類すべてを覚えさせることがほぼ必須でしたが、今作ではその必要がなくなっています。
前作ではひでん技を覚えるポケモンを忘れて、何度もポケセンに戻る羽目になった方も多いのではないでしょうか?
しかし本作ではどこからともなく野生のポケモンが現れて助けてくれるので、ひでん要因のポケモンを連れ歩く必要はありません。
その他にも剣盾の最新システムがちゃんと採用されており、DS版よりはるかに快適に遊ぶことができるようになっていた点は高評価でした。
地下大迷宮が楽しい!
3つめに紹介するのは、ちかつうろがパワーアップした新要素「地下大迷宮」です。
オリジナル版では、地下で化石堀りや秘密基地づくりを楽しむことができました。
しかし本作の地下の楽しみはそれだけではなく、「ポケモンの隠れ家」というエリアにシンボル形式のポケモンが出現するようになっています。


隠れ家にはあまいミツの木限定のレアポケモンや本来クリア前には出会えないポケモンなども登場するので、探索するだけでもかなり楽しいですよ!
これによって固定されがちだった旅パの面子に、多くのバリエーションを持たせることが可能に。
またクリア後には合わせて百種類を超えるポケモンが登場するようになるので、さらに探索が面白くなっていました。
その他にも秘密基地に飾れる「石像」・過去作の伝説のポケモンに会うのに必要なレアアイテム「謎のかけら」など新要素も追加されています。

このように様々な要素を追加することで地下の楽しみが増えていたのは、素直に良かったと感じました。
ただ秘密基地に設置できるグッズは廃止されているので、過去作ほど基地の自由なカスタマイズができない点はご注意を。
ポケモンBDSPの気になった点
バグが多い
まず気になった点の1つ目は本作のバグの多さ。
発売日以降、面白いものからゲームシステムを壊しかねないものまで様々な種類のバグがSNS上に投稿されてきました。
その中でも特に致命的だと感じたのが以下の2点です。
- ポケモンの増殖や、通常プレイでは覚えられない技を覚えさせられる
- デフォルトではオートセーブになっており、進行不能な状況でセーブされることがある

あまりのバグの豊富さにポケモンBDSPの新たな略称として「バグだらけスペシャル」という言葉が誕生したほど…。
幸い現在は上記の2点は修正されていますが、まだまだ細かいバグは多く残っています。
ちなみに筆者が遭遇したのは、特定の技マシンをgetする際に横からじゃないと取れないというものでした。
発売当時は笑えないバグも結構多かったので、もう少しデバックをちゃんとやってほしいと感じましたね。
育成環境が悪い

ここはやりこみ勢としての意見なので、対戦や育成に興味がない方は飛ばして下さい。
次に目に付いたのが育成環境の悪さ。
本作は過去作のサンムーン・剣盾と比べると、ガチポケモンを育成するハードルが圧倒的に高くなっています。
- サンムーンや剣盾のように、レベリングのための裏技が存在しない(100レべにするには地道なトレーナー周回が必要)
- 一部購入できるものを除き、同じ種類の技マシンが複数ほしい場合はBPで交換するしかない(7連勝しないとそもそもBPがもらえないため、非常に時間がかかる)
- 高個体値の通常ポケモンを入手するには数時間の孵化厳選が必須

育成環境がほぼ当時のままかつ厳選などがかなり面倒なので、ほとんどのユーザーが対戦には手を出さず脱落するだろうなと思いました。
いくら過去作のシステム(すごいとっくん・あかいいとなど)を輸入しても、それを有効活用するための手段が準備されていなければ意味がありません。
不便な環境まで原作に忠実なままだったのは、素直に残念だと思いました。
新要素が少ない

もう1つ気になったのが、新要素の少なさについて。
本作は良くも悪くも原作に忠実となっており、地下大迷宮以外に目玉となる新要素はありません。

ディアルガ・パルキアの新フォルムの実装などを期待していましたが、そういったものは一切なかったですね。
個人的にオメガルビー・アルファサファイアの大胆なリメイクは気に入っていたので、ストーリーなどもほぼ全て同じだったのは少し残念。
過去作の伝説ポケモンを捕まえられる「ハマナスパーク」に関しても、剣盾でも有料DLCでgetが可能なためインパクトは弱いです。
一応バトルタワーに「マスタークラス」という鬼畜モードが実装されており、これはクリアするまでに10~20時間ほど遊べました。

ただプラチナのバトルフロンティアの面白さには到底及ばないので、総じて最新作としては力不足感が否めませんでしたね。
公式によるとアプデは予定されてるそうなので、そちらに期待したいところです。
twitterでの他のユーザーの口コミ
良かったという口コミ
合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
以上を踏まえると、「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」 は以下のような方におすすめです。
- DS時代にダイパを遊んでいた
- 対戦などはあまりしない、ライトなポケモンユーザーである
- グラフィックや新要素の少なさが気にならない
逆に以下のような方の購入はご注意を。
- 剣盾の快適な育成環境に慣れており、不便な時代に戻るのは耐えられない
- 最新作としての新鮮な体験を求めている
- グラフィックがどうしても受け付けない
ポケモンBDSPのレビューまとめ
「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」は、DSソフト「ダイヤモンド・パール」がSwitch向けにリメイクされた作品です。
原作に忠実なだけでなく、ストーリーの難易度やシステム面がパワーアップしている点が本作の魅力。
DS版を遊ばれていた方なら、懐かしく快適に遊べるタイトルとなっています。
ただ前作の剣盾などと比べると、新要素の少なさも相まって力不足感が否めません。
ポケモンの中では少しユーザーを選ぶゲームなので、不安な方はしっかり検討してから購入して下さいね!
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