今回は2021年2月26日に発売されたswitchソフト「ブレイブリーデフォルト2」のレビューを行っていきます。
ブレイブリーデフォルトとは、練られたストーリーと昔ながらのゲームシステムが人気のコマンドJRPG作品。
本作は2となっていますが、ストーリーのつながりなどはないのでご安心下さい。
発売元はドラクエやFFでおなじみのスクウェア・エニックスであり、本作はシリーズとしては6年ぶりの新作となります。
知名度こそ上記のシリーズより劣っていますが、独自のゲーム性によって面白さは引けを取りません。
そこで実際に45時間ほど遊んだ筆者が、このゲームの良かった点・気になった点について解説します。

結論から言えば、RPGに慣れている方ならガッツリ楽しめる良作だと感じました!
二転三転するストーリーと歯ごたえのあるコマンドバトルは、王道という枠に収まらない面白さを誇っていました。
ただドラクエなどとは難易度が桁違いなため、手軽に楽しめる作品ではない点はご注意を。
つまり、このゲームは以下のような方におすすめできます。
- 昔ながらのRPGに惹かれる
- ドラクエなどのコマンドバトルが得意である
- 一筋縄ではいかない敵を、試行錯誤してクリアするのが好き
「ブレイブリーデフォルト2」の良かった点
王道に見せかけて、独自のシステムを採用したストーリー

本作のストーリーをざっくり説明すると、以下のような感じです。
邪悪な存在”ヤミノヒトミ”を封印するための、4つのクリスタルを管理していたミューザ王国。
しかしミューザ王国は何者かの襲撃によって滅び、クリスタルが奪われてしまった。
クリスタルを野放しにしたままでは、ヤミノヒトミが復活し世界が滅んでしまう。
亡国の姫となったミューザ王女「グローリア」と出会った主人公の青年は、彼女に同行しクリスタルを取り戻す旅にでる。
これぞ王道RPGといった、わかりやすい物語になっていますね。
ストーリーは基本的に勧善懲悪となっているので、あまり深く考える必要はありません。
ただ、たくさんの作品を遊んできた熟練のゲーマーの方にとっては驚きが少ない内容なことも事実。
しかし、この物語の魅力はストーリー終盤の魅せ方に詰まっています。
本作には複数のEDがあるのですが、単なるマルチエンディングとは異なります。
あるEDを見ることで新事実が明らかとなり、そのデータをロードすることで新たな章が解放されるという斬新なシステムが採用されていました。


本作のテーマの1つが「運命に従わない」ことになっているのですが、ユーザーもその運命(ED)を受け入れるか否かが問われるわけですね。
このシステムを採用することで物語の結末の予想が難しくなっているので、RPG経験者であっても新鮮な驚きを得ることが可能に。
様々な選択の果てに辿り着いた真EDは、きっと感動すること間違いなしですよ!
ジョブシステムによるキャラ育成・カスタマイズが時間泥棒で楽しい

本作は、キャラクターごとにジョブを決めることで好きな役割を与えられるJRPGです。
「アスタリスク」と呼ばれるアイテムを持つボスキャラクターに勝つことで、手持ちのジョブがどんどん増えていく仕組みになっています(全20種以上)。
キャラクターレベルとは別にジョブレベルが設定されていて、このレベルを上げることで
- アビリティ→そのジョブで戦闘を行う時に使用できるスキル
- サポートアビリティ→セットすればどのジョブでも使うことができるパッシブスキル
の2つを習得することが可能。
一見弱そうなジョブでも習得するサポートアビリティが強力だったりするので、この仕組みがやりこみ要素を深めています。
純粋なステータスup以外にも、攻撃が必中になる・ダメージ上限が伸びるなど、サポアビの効果は様々。


キャラクターごとにサポートアビリティをつけられる数は最大5つなので、限られたリソースをやりくりしながら考えるのが楽しいです!
ジョブとサポートアビリティを試行錯誤して、ベストな選択を探すのがこの作品の魅力の1つ。
いろいろ試していると、あっという間に時間が過ぎていきます。
組み合わせ次第では、ゲームを壊しかねない最強キャラを作ることもできますよ。
歯ごたえのある戦闘とボス戦

本作の戦闘は昔ながらのコマンド形式となっていますが、独自のコマンドとしてブレイブ&デフォルトというシステムが存在します。
2つのコマンドを説明すると、
- ブレイブ→ブレイブポイント(BP)を使用し、1ターンの行動回数を増やす(上限4回)
- デフォルト→防御姿勢を取ることで1ターンダメージを軽減し、BPを1増やす
といった感じ。


デフォルトでBPをためて1ターンで一気に攻撃や回復をする、というのがこの作品の肝になっています。
このBPは前借りすることもできますが、上記のように値が-になってしまうとBPが0に回復するまでそのキャラは行動不能に。
連続攻撃をしても相手を倒しきれないと痛い反撃をもらうため、雑魚戦であってもごり押しプレイには注意が必要です。
そして、この作品を語るうえで避けて通れないのがボス戦の難易度の高さ。

本作のボスキャラクターたちは大半がアスタリスク所持者であり、ブレイブ&デフォルトに加えそのジョブ限定の技を使ってきます。
ユーザーにとって初見となる技がほとんどであり、まずは技の効果を覚えることが攻略の第一歩。
また、ボスのほとんどが持つジャマーという特殊能力が、難易度をさらに高めています。
ジャマーとは簡単に言えば、プレイヤーキャラがある行動をするとボスが追加の行動をする仕組みのことです。
- アイテムを使うとその使用者を攻撃する
- デフォルトを使うとボス自身に強烈なバフがかかる
- 弱点属性で攻撃するとボスのBPが1上昇する
など、その効果はボスによって様々。
複数のジャマーを持っているボスが大半なので、うかつな行動をして一気にピンチになることも多々ありました。

ボスの使うアビリティ・ジャマーを把握した上で、ジョブやサポートアビリティを選択する必要があります。
ボスに負けたあと今の自分に何が足りていないのかを考え、準備して再戦するのが本作の流れです。
一筋縄ではいかない敵たちとの高難易度なバトルは、熟練のゲーマーでも苦戦は必至。
その分ボス戦をクリアした時は、大きな達成感を得ることができますよ。
Revo氏が作曲した、名曲ぞろいのBGM
本作のBGMは、シリーズ初代のBGMを担当されたRevoさんによって作曲されています。
Revoさんが所属する「Linked Horizon」は、大人気アニメ「進撃の巨人」のOP・EDを担当されていることで有名。

代表曲である「紅蓮の弓矢」は、アニメをあまり知らない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか?
そのセンスはゲームでも失われておらず、本作でも耳に残る良い曲が多かったように感じました。
過去作の曲がアレンジされている箇所もあったそうなので、経験者の方ならより楽しめるかもしれません。
また本作ではボス戦のBGMは1つではなく、非常にたくさんの種類が用意されています。
どれも非常にそのバトルに合っていたので、さすがだなと感じました。
ちなみに前作のボスBGMである「彼の者の名は」は、ゲームミュージックでありながらyoutubeで50万再生を突破していますよ。
「ブレイブリーデフォルト2」の気になった点
エリア切り替え時のロードが少し長い

本作では、エリア切り替え時にロードが発生します。
基本的には5秒ほどで終わりますが、長い場合はそれ以上かかることも。

おつかい系のクエストでは頻繁にマップ移動をすることになるので、ややストレスになりました。
特に町の間の移動を行う際に、
- まず移動にロードが入る
- 町の中ではなく、町の外のワールズマップに移動させられる
- 町の中に入るのにロードが入る
という2回のロードが毎回入るのは、少し気になるポイント。
アイテムの買い忘れなどがあれば、10秒ほど余計なロードが必要になります。
我慢できないほどではないですが、ゲームのテンポが悪くなっていたので少し気になりました。
ルーラ(瞬時に特定の場所に移動する手段)が無い

ドラクエではルーラという呪文によって、ストーリーで訪れた村や重要な土地に瞬時に移動することができます。
しかし本作にはそんなものはなく、メインの移動手段の馬車は町から町にしか移動できません。
そのため、ダンジョンから帰る際は徒歩でワールドマップを歩いて町まで帰る必要があります。

ダンジョンは町から離れていることが多かったので、毎回1・2分かけて歩いて帰るのは面倒でした。
ゲーム内の移動手段については、もう少し充実させてほしかったのが本音ですね。
アビリティのマイセット機能がなく、毎回手作業で変えなければならない

先ほども述べた通り、本作はキャラクターごとに最大5つのサポートアビリティをセットできます。
サポアビには例えば
- JP(ジョブポイント)アップ→戦闘で得られるジョブ経験値が上がる。ジョブレベルのレベリングに使う。
- 仕返し回避→相手の物理攻撃ジャマーを無効化できる。ボスには有効だが、雑魚戦などではほぼ無意味。
- ゆるがぬ戦力→一部の状態異常を無効にする。
などの種類があり、特定の用途でしか使わないものも。
要するにレベリング用・雑魚戦用・ボス戦で使うサポアビの構成は全然違うわけですね。
特にボス戦はピンポイントの対策が必要になることが多く、5枠を何にするかしっかり考えなければなりません。
しかしこのサポアビのマイセット(保存)機能がないため、1から手作業で変更する必要があります。
毎回レベリングの後に冒険用の構成に戻すのが面倒だったので、保存機能がなかったのは減点です。
twitterでの他ユーザーの口コミ
良かったという口コミ
合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
以上を踏まえると「ブレイブリーデフォルト2」は以下のような方におすすめできます。
- 昔ながらのRPGに惹かれる
- ドラクエなどのコマンドバトルが得意である
- 一筋縄ではいかない敵を、試行錯誤してクリアするのが好き
逆に以下のような方には合わないかと。
- 頭を使って攻略するのが面倒
- コマンドバトルがあまり得意でない
- 王道ではなく、あっと驚くRPG(物語やシステム)を期待している
「ブレイブリーデフォルト2」のレビューまとめ|RPG好きに自信を持って勧められる作品!
「ブレイブリーデフォルト2」は古き良きコマンドバトルを踏襲した、難易度が高めなJRPGです。
様々なジョブを試しながら1つ1つ攻略していく達成感は、このゲームならではの魅力と言えるでしょう。
王道に見せかけたストーリーやRevoさん作曲のBGMなど、作品としての完成度はかなりのもの。
コマンドRPGに慣れた方なら、最後まできっと楽しめます。
我こそは、というゲーマーの方はぜひ遊んでみて下さいね。
コチラで2021年発売のおすすめタイトルを紹介しているので、興味がある方はそちらもどうぞ。
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