今回は2021年7月9日に発売された「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」のレビュー記事となります。
本作はモンハンの世界を、モンスターを仲間にして共に冒険するコマンドRPG作品です。
2となっていますが、物語は独立しているのでこれから遊ぶ方でも大丈夫。
モンハンライズの生放送などでも宣伝されていたので、ファンの方にはこのゲームの存在は広く知られていると思います。
従来のアクションとは全く違うジャンルのゲームですが、その面白さはモンハンの看板に恥じないものになっていました。
そこで実際に55時間ほど遊んだ筆者が、このゲームの良かった点・気になった点について解説します。

結論から言えばモンハンのモンスターかコマンドRPGが好きな方なら、買って損はないと言える作品でした!
前作の不満点も軒並み改善されていて、より快適なプレイが楽しめるようになっていたのも良かったです。
ただバトルが少し特殊な仕様なので、もしかしたら合わない方もいらっしゃるかもしれません。
このゲームは以下のような方におすすめできます。
- ポケモンやドラクエモンスターズなど、モンスター収集・育成のゲームが好き
- モンハンは本家しか遊んでおらず、ストーリーズは未体験
- モンハンに詳しくないが、コマンドRPGは得意
- 前作のストーリーズを楽しく遊べた
「モンハンストーリーズ2」の良かった点
ライダーである「主人公」と、ハンターである「カイル」の成長ストーリー

タイトルに”ストーリーズ”とあるように、モンハンの本編よりもストーリーには力が入っています。
ムービーは過去作同様フルボイスですが、言語は日本語に変更。
内容も、ライダーである「主人公」とハンターである「カイル」の成長が、しっかりと描かれていてよかったと感じました。
物語の冒頭は以下のような感じ。
物語の舞台はモンスターを育て共存する「ライダー」と、モンスターを狩る「ハンター」が存在する世界。
ある日、主人公の島の守り神である「護りレウス」が、モンスターが謎の光によって狂暴になる”凶光化”によって島の外に飛び去ってしまいます。
護りレウスからタマゴを託された少女「エナ」から語られたのは、世界中で凶光化が起きている真実でした。
その事態を知った主人公は、新米ライダーとしてエナと共に冒険に出ることになります。
しかしエナの持つタマゴから生まれたのは、伝説によれば世界を滅ぼすとされる「破滅レウス」でした。
世界に起きている異変と破滅レウスの関係とは…。

真実を探る旅の中で主人公はライダーとして成長していく、という内容になっています。
本作では破滅レウスをめぐり、人間たちと対立する場面も。
レウスの討伐を狙うハンター達や、捕獲を狙う謎のライダー集団などが存在します。
ハンターであるカイルも、始めはレウスや主人公の存在を快く思っていませんでした。
しかし主人公と行動を共にしてライダーの在り方に触れることで、凝り固まっていた考え方が変わり成長していくんですね。

このようにライダー・ハンターの両方の成長が見れるので、決しておまけとは言えないクオリティに仕上がっています。
過去作キャラクターも含め多くのライダーたちも出てくるので、過去作を遊んでいた方はより楽しめるかもしれません。
とはいえ大筋としては独立した物語なので、本作から始めてもちゃんと楽しめるのでご安心ください。
よりモンハン要素の足された、コマンドバトルシステム

本作の戦闘システムは、じゃんけんに似た3すくみのコマンドバトル。
攻撃の多くがパワー・スピード・テクニックのいずれかに分類され、例えばパワーはテクニックに強いですがスピードに弱くなっています。

じゃんけんに勝つことで技の威力が100%発揮されるが、負ければダメージが大きく軽減され追加効果も発動しない、といったイメージです。
3つの属性のどれにも分類されない技もあるので、じゃんけんに勝ちながら強力な技が来たらどう対処するかが面白いポイント。
そして、ライダーである主人公と仲間モンスター1匹がチームになって戦い、合計で3回体力が0になるとゲームオーバーです。
ここまでは前作と同じなのですが、本作は以下のように新システムがいくつか追加されています。
- 相手の行動が規則的になった(例: 通常時→スピード 怒り状態→テクニック 飛行形態→パワー など)
- 主人公が持つ武器に分類(斬or打or突)が設定され、戦闘時に持ち替えが可能に
- 相手モンスターの部位ごとに、斬・打・突のいずれかの弱点が追加された
- 連携技のダブルアクションが条件を満たせば必ず発動するようになった
個人的に、前作ではランダム性が強かったモンスターの行動が固定化されたのはよかったです。
本家モンハンと同じく、行動を覚えて完勝する楽しみをうまくRPGに落とし込んだという印象を受けました。
また自分と仲間モンスター(オトモン)が同じ属性を選び、じゃんけんに勝つと発動する「ダブルアクション」が必ず発動するようになったのも嬉しい点。

ダブルアクションとは相手の攻撃を完全に無効化して攻撃でき、絆ゲージというMP的なものが大きくたまる強力な仕組みです。
これがどういう意味かというと、はるかに格上のモンスターでも立ち回り次第で勝てるようになったということ。
普通は後半でないと歯が立たないモンスターを倒して仲間にすることもできたので、RPGらしい面白さを感じました。
追加されたモンハン要素とRPG要素がうまくかみ合っていたので、本作のバトルはガッツリと楽しむことができましたね。
多数のオトモンと、絆遺伝子の中毒性

本作で仲間にできるモンスター(オトモン)は140種類以上。
- リオレウス・ジンオウガなどの人気モンスター
- キリン・イヴェルカーナなどの古龍
- 白疾風ナルガクルガ・紫毒姫リオレイアなどの二つ名モンスター
など、たくさんのシリーズから様々なモンスターが登場します。

本家のモンハンではしばらくご無沙汰なモンスターも登場するので、きっとお気に入りが見つかるはず。
好きなモンスターをgetして育てる楽しみが、しっかり本作でも味わえますよ。
また、モンスターが持つ絆遺伝子という仕組みがやりこみ要素をさらに高めています。
絆遺伝子とは簡単にいえば、モンスターの持つスキルが保存されたもの。
ナルガクルガのトゲ弾といった攻撃スキルや、体力増加といったパッシブスキルなどかなりの種類があります。

この絆遺伝子は他のモンスターに引き継ぐことができ、1匹のモンスターにつき最大9個の遺伝子を持つことが可能。
ただ9個持たせられるだけでなく、同じ属性でビンゴを作るとスキルがより強力になります。
そして、過去作との大きな違いが以下の通り。
- 絆遺伝子を好きな位置に引き継げるようになった
- 同じ遺伝子を重ねて強化することができるようになった
遺伝子さえよければ他のモンスターの遺伝に使用できるので、育成要素の無駄がかなり減りました。
一方で”重ねる”という概念の登場により、やりこみの幅は増加しています。
多数のオトモンと絆遺伝子による中毒性は、本作の大きな魅力だと言えるでしょう。
過去作から進化した、システム面の快適さ

本作は、過去作にあった機能はそのままに様々な便利機能が追加されています。
- 戦闘の倍速機能(2倍・3倍)
- ネコタク(=ファストトラベル)が始めからどこでも使えるように
- モンスター図鑑で、モンスターの卵の種類や絆遺伝子の情報が確認可能に
- 格下のモンスターを瞬時に討伐できる一斉攻撃
特に、ネコタクが便利でダンジョンの最奥だろうと一瞬で拠点に帰ることが可能。

過去作では裏ダンジョンをクリアしないと一部の場所でしか使えなかったので、非常にありがたい変更です!
その他にもやりこむ上で必要になる要素が、ほぼ完ぺきに用意されている印象を受けました。
ユーザーフレンドリーが徹底的に追及されていたので、カプコンの本気を感じることができましたね。
「モンハンストーリーズ2」の気になった点
痕跡集めと導蟲(しるべむし)が面倒くさい

本作では強力なモンスターとクエストで初めて戦う際、導蟲を使った”痕跡集め”が必要なことがあります。
導蟲はフィールド上の”痕跡”がついたアイテムの場所を、黄緑の光で指し示してくれるというもの。
痕跡つきのアイテムを複数集めることで、お目当てのモンスターと戦えるようになるわけです。
導蟲が初登場したワールド未プレイ勢としては、このシステムは正直面倒くさいとしか思いませんでした。
特に気になった箇所は以下の通り。
- 5分ぐらい緑の光を追いかけて、アイテムを集めるだけの作業の楽しさがわからない
- 誘導の通りに行っても、崖の上など回り道が必要なことがある
- クリア後の楽しみである古龍・二つ名モンスターのクエストすべてに、痕跡集めが必要

本家のモンハンライズではなくなっていたのに、なぜ復活させたのか…。
ストーリー・クエストのテンポも悪くなっていましたし、特に良い点が思いつきません。
「痕跡集めいらないから、早く戦わせて…」と何度も思いましたね。
もし次回作があれば、痕跡と導蟲は廃止してほしいのが本音です。
施設までの距離が遠く、使いにくい拠点がちらほら

本家であるモンハンライズが快適だったため、拠点の使いづらさも少し気になりました。
本作ではよく使う施設として、
- 加工屋→武器・防具の作成や強化
- 道具屋→回復アイテムなどの購入
- 厩舎→オトモンの孵化やパーティー編成など
などがあります。
冒険の過程で複数の町を訪れるのですが、一部の町では施設間の距離が少し遠いです。
特に厩舎だけが離れている町が多く、最長の場合は道具屋から20秒ほど歩くはめになりました。

町の景観などの兼ね合いで難しいとは思いますが、厩舎も1か所にまとめておいて欲しかったのが本音ですね…。
ただ施設間の距離がわりと近い町もあるので、クリア後はそこをメインの拠点にすればそこまで困りません。
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合わなかったという口コミ
レビューを踏まえて、このソフトをおすすめできる人・できない人
レビューを踏まえると、「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」は以下のような方におすすめです。
- ポケモンやドラクエモンスターズなど、モンスター収集・育成のゲームが好き
- モンハンは本家しか遊んでおらず、ストーリーズは未体験
- モンハンに詳しくないが、コマンドRPGは得意
- 前作のストーリーズを楽しく遊べた
逆に、以下のような方には合わないと思います。
- モンハンはアクションしか認めない
- バトルシステムを面倒くさそうだと感じる
- 大人向けのストーリーを期待している
「モンスターハンターストーリーズ2」のレビューまとめ|モンスター収集・育成やコマンドRPG好きに強くお勧め!
「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」は、モンスターを仲間にしてともに冒険するコマンドRPG作品です。
ストーリー以外にもモンハンらしさとコマンドバトルがうまくかみ合ったシステムなど、モンスター収集ゲームとしての面白さはかなりのもの。
もしモンハンに詳しくなくても、コマンドRPGが好きなら問題なく楽しめるタイトルになっています。
まだまだたくさんのアプデが用意されており、カプコンの本気が感じられる本作。
RPGで描かれるモンハンの世界を、ぜひ体験してみて下さいね。
コチラで2021年発売のおすすめタイトルを紹介しているので、興味がある方はそちらもどうぞ。
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