書評|「幸せになる勇気」の感想・レビュー

書評

今回は「幸せになる勇気」を読んだので、書評としてレビュー記事を書きます。

アドラー心理学の教えを対話形式でまとめた本である「嫌われる勇気」。

この本はアドラーの思想をわかりやすく知ってもらうための物だったのに対し、「幸せになる勇気」はその続編となります。

つまり「嫌われる勇気」を読んだ人の

  • 結局何から実践すればいいのかわからない…。
  • どうやって日々の生活にアドラーを取り入れるの?

といった疑問に答えるための、理論より実践の話がメインとなっているんです。

始まりは教師としてアドラーの教えを実践したがうまくいかなかった青年が、もう一度哲人の家を訪れるところから。

「幸せになる勇気」を要約しながら、個人的に「この考え方は役に立ちそう」という箇所について説明していきます。

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1章 悪いあの人、可愛そうな私

まず青年の疑問から発生した、教育の目標についての議論から。

哲人によれば教育の目標は「相手の自立」であり、教育者の役目は介入ではなく援助することだと述べられています。

ここでの自立とは経済的な話ではなく「自分の人生を自分で選ぶこと」の意味。

この援助のキーとなるのが対人関係の入り口となる「尊敬」、相手を変えようとも操作しようともせず「ありのまま」を認めることだそうです。

そしてこの尊敬を相手に示す方法として、相手の関心事に興味を持つことが挙げられています。

新入生の歓迎などでよく趣味などを聞かれるのも、対人関係を始めるうえで理にかなった行為だったんですね。

次に面白いと思ったのが、哲人のとりだした「カウンセリングの三角柱」というアイテムに関連する話。

それぞれの面に

  • 悪いあの人
  • 可愛そうな私
  • これからどうするか

と書かれていて、ほとんどの話しは上2つに分類されるといいます。

ここからは何も生まれないので、我々が語り合うべきは3つ目の「これからどうするか」のみというのは斬新な考え方だと思いました。

黒ナマコ
黒ナマコ

人から相談を受けたら「これからどうするか」まで話し合おう!

2章 なぜ「賞罰」を否定するのか

次に青年が学校で教師としてアドラーの教えを実践してもうまくいかなかった経験から、子供の問題行動についての議論に移ります。

  • 第1段階|称賛の欲求(いい子を演じることで、ほめてもらうことが目的)
  • 第2段階|注目喚起(いたずらなどをして、叱られることで注目を得ようとする)
  • 第3段階|権力争い(誰彼かまわず挑みかかり、力を誇示して地位を得るのが目的)
  • 第4段階|復讐(相手の嫌がることを繰り返し、憎まれることで注目を得ようとする)
  • 第5段階|無能の証明(自分がいかに無能であるか周りに示し、あらゆる課題から逃げる)

問題行動は段階が進むほど当事者同士の解決が難しくなっていき、第4段階以降は第3者の手を借りないと解決は不可能になってしまうとのこと。

これらは全て「共同体の中に特別な地位を確保する」という目的に基づいて行われます。

アドラーが承認欲求や賞罰教育を否定した背景には、この問題行動があったんですね。

次に「叱ること」の是非について。

アドラーによれば叱責は暴力と同じく、時間と労力をかけずに自分の要求を押し通すための身勝手なコミュニケーション手段であるとのこと。

子供たちの問題行動を目にしたときは「裁判官の立場」を放棄し、自分に裁く権利などないことを自覚しましょう。

なんでも自分たちで決めさせ、「人生は自分で決定すべきもの」と教えていくことが教育者の役目だと述べられています。

黒ナマコ
黒ナマコ

ただ受験勉強を教えるだけの教育とはかけ離れたものですね。

教師だけでなく子育ての現場にも応用できる章であると言えます。

3章 競争原理から協力原理へ

競争原理は「ほめられること」を目的にした人が集まり、嫉妬や劣等感に苦しむ人が出てくることで生まれると述べられています。

そうならないために協力原理、賞罰も競争もない本当の民主主義の組織を作っていかなければならないとのこと。

競争原理は「縦の関係」に行きつくことから、人の不幸を助長するものと考えられているんですね。

そこで承認欲求に抗う手段として、自分の価値を自分で認める「普通であることの勇気」の話になっていきます。

普通であることは恥ではなく、自分が自分であることに価値を置けという考え方が大事。

黒ナマコ
黒ナマコ

承認欲求にとらわれている人にとっては自分の生き方を見直すきっかけとなるであろう章でした。

4章 与えよさらば与えられん

3章の終盤で教育とは仕事ではなく交友であると述べられます。

まずは交友の話から。

交友とは友達になれという意味ではなく

  • 他者の目で見ること
  • 他者の耳で聞くこと
  • 他者の心で感じること

の3点を表しています。

仕事との違いは

  • 仕事|信じないという選択肢はなく、嫌でも協力しなければならない関係
  • 交友|相手に信じられていようといまいと、自分が相手を信じること

つまり条件付きの信用か、そうでないかがポイント。

この原則に従えば、こちらが信じてさえいれば交友の関係であると言えるのが面白いです。

この章で重要な考え方は「与えよさらば与えられん」というもの。

信用でも尊敬でも、自分が先に相手に与えることで自分にも帰ってくるという考え方です。

なかなか信頼できる相手ができなくてつらい、という方は相手を信じることから始めてみてはいかがですか?

黒ナマコ
黒ナマコ

特に大学生の方は、相手の行動を待ってばかりだと筆者のようにずっとぼっちで過ごすことになりますよ。

5章 愛する人生を選べ

ここでは幸せな人生に必要である「」の定義について、やるべきことも踏まえながら解説されます。

まず斬新だったのが「愛は落ちるものではなく、何もない所から築き上げるもの」という考え方。

落ちる愛は本質的に物欲と同じだとみなされています。

黒ナマコ
黒ナマコ

なんだかラブコメが面白くなくなってしまいそうな考え方…。

勘違いしてほしくないのが、注目されているのは相手と結ばれるまでの話ではなくその後の関係についてです。

愛とは「ふたりで成し遂げる課題」であり、人生の主語が「私」から「私達」へと変わる大きな転換点であるとのこと。

仕事・交友・愛のそれぞれの幸せの追求のスタンスは以下のようになります。

  • 仕事の関係→私の幸せの追求
  • 交友の関係→あなたの幸せの追求
  • 愛の関係→私達の幸せの追求

そしてさらなる愛の定義として「何の保証もないのに行動を起こすこと」であると述べられています。

だからこそ人は、自分は傷つくに違いないと考えることで無意識に「愛すること」を恐れているとのこと。

愛の定義はわかったけど相手がいない、というのは多くの読者が抱く疑問です。

アドラー心理学では「運命の相手などいない」と宣言し、目の前の愛すべき他者を見ずにもっと理想的な相手を求め続けているだけだと一蹴します。

出会いとは「運命だと信じることを決意すること」、つまり運命とは決められたものではなく自分の手で作るものなんです。

ただ、じゃあ目の前の異性にいきなり声をかけられるかというと不可能だと思います。

そこで今すべきこととして

全ての出会いと対人関係について、最良の別れに向けた努力をすること

これこそが「いま、ここを真剣に生きる」ということであると述べられています。

もちろんアドラーを知るだけでは人生は変わらないので、行動が大切。

黒ナマコ
黒ナマコ

一つずつでも、アドラーの教えの実践を始めてみませんか?

まとめ 「幸せになる勇気」で、幸せに向けて歩き出そう!

それぞれの章で、様々な幸福へのアプローチが語られていました。

  • カウンセリングの三角柱
  • 子供の問題行動や、叱ることについて
  • 普通であることの勇気を持つこと
  • 信用と尊敬は自分から先に与えること
  • 全ての出会いと対人関係について、最良の別れに向けた努力をすること

前作「嫌われる勇気」を読んだ方なら、より実践に向けたアドラーの思想を学べる事間違いなし!

とてもおススメできる品なので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

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