「書評」 嫌われる勇気 (前半: 1章~3章)

書評

初記事として、岸見一郎・古賀史健さんの著作である「嫌われる勇気」の書評を書いていきます。

大学生が読むべき本として、様々な方が取り上げられているこの本。

読んでみた率直な印象は、生きづらさを感じている人の人生をシンプルにしてくれる本という感じです。

「読んでみたいけど本を読むのが面倒くさい…」

「読んだけど、他の人の感想も知りたい」

といった方に向けて、筆者なりの解釈を踏まえながら解説します。

この本は「青年」と「哲人」の二人の対話形式で話が進んでいきます。

読んでいる間、ずっと同じことが頭から離れませんでした…。

青年キレすぎ!という考えです(笑)。

彼は納得がいかないことには、時には感情をむき出しにして納得するまで哲人を問い詰めます。

でもそのしつこさによって、理想論に聞こえがちなアドラー心理学をとっつきやすいものにしてくれています。

<script>” title=”<script>

<script>

「原因論」と「目的論」|目的が先か感情が先か

この章ではまず「原因論」「目的論」という考え方について説明されます。

  • 「原因論」→現在の私(結果)は過去の出来事によって決まるという考え方
  • 「目的論」→目的が先にあってそこから感情を作るという考え方

この本ではこの二つを説明する際に「引きこもり」の方を例にあげて説明されています。

原因論だと、引きこもりの方は「不安だから外に出られない」と考えます。

しかし目的論では「外に出たくないという目的のために、不安を作っている」と考えるんです!

アドラー心理学の根底にある目的論では、過去に注目せず今に焦点を当てています。

典型的な原因論で生きている人間の一人として、とても斬新な発想だと思いました。

例えば僕の場合だと、だるいから大学に行きたくないという理由でサボっていました…。

しかし自分の胸に聞いてみて、大学に行きたくないからだるいと思っているのでは?と考えた時に否定することはできませんでした。

同じく人がよく抱く「変われない」という悩みに対しても、「変えたくない」という目的が潜んでいることを哲人は指摘しています。

人は多少の不満はあっても今のままでいる方が楽だと考えているからとのこと。

厳しい意見かもしれませんが、人の心に潜む甘えを見抜いた見事な考えだと思いました。

ダメ大学生の自覚がある自分には、深く刺さった章でしたね…。

全ての悩みは対人関係|コンプレックスや他人との競争について

この章ではまず青年の「自分のことが嫌いである」という悩みから始まり、アドラーの「全ての悩みは対人関係である」という考えが飛び出します。

哲人は青年の感情の裏にある「対人関係で傷つきたくない」という目的を見抜き、自分のことを嫌いになることで対人関係に踏み出さない人間になっていること、を指摘します。

そこから上記の発言につながっていくのです。

この章では他にも様々なキーワードが登場。

  • 劣等感→自分を他人と比較することによって生まれる主観的な解釈
  • 劣等コンプレックス→劣等感を言い訳に使い始めた状態
  • 優越コンプレックス→自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸る状態

まず劣等感については劣等性(事実として何かが欠けていたり、劣っていること)ではないと指摘されています。

つまり理想の自分との比較によって生まれる、もっと頑張ろうという劣等感はむしろ成長の火種になるとのこと。

一方の劣等コンプレックスはAだからBできないというように、劣等感を理由に行動をやめてしまう状態のことを指します。

例えば学歴が悪いから、仕事ができないという考えですね。

一見正しいように見える考えですが、これは自ら因果関係を生み出し納得させようとする「見かけの因果律」という言葉で説明されています。

そして劣等コンプレックスをさらに悪化させてしまった状態が優越コンプレックス。

自分と権威を結びつけることで、自分はダメなままであるにも関わらず優越感に浸るという状態です。

ブランド品をたくさん身に着ける人や、有名人の知り合いであることをアピールしたりすることが例としてあがっていました。

これらは全て他者が存在することで生まれる悩みと言えますね。

この章ではもう一つのアドラーの考えとして「人生は他者との競争ではない」という考えが登場します。

競争の意識とは「A君は有名企業に入った、B君は起業して成功しているが自分は…」というように、他者の成功を自分の負けであるかのように考えること。

「権力争い」という、力や論述によって他者を屈服させようとする行為も競争の意識から生じるものだそうです(twitterのアンチとか)。

この意識の中では勝者と敗者が生まれ、敗者は「復讐」という相手を困らせたりストレスを与えることだけが目的の状態になってしまうと述べています。

つまり他者を「敵」だと認識するのでなく、「仲間」だと認識することで対人関係の悩みの解決に一歩近づけるということです。

わかっていてもなかなか実践するのは難しそうですね…。

他者の課題を切り捨てる「課題の分離」

この章に書いてあることを実践できれば、間違いなく人生はシンプルで楽なものになります。

親や周りの人との関わり方を考える際に、間違いなく大きな武器となってくれるでしょう。

この章では、人生を生きづらくしているものの一つとして「承認欲求」が上がっています。

そして承認欲求を人間の当たり前の欲求とした上で、それに抗うための手段として「課題の分離」という考え方が登場します。

これは「課題によってもたらされる最終的な結果を引き受けるのは誰か、を基準に自分の課題と他者の課題を分ける」という考え方です。

哲人によれば対人関係のトラブルの大半が他者の課題に踏み込むことが原因とのこと。

親が子供に勉強しなさい!と怒鳴るのはまさにそれです。

サポートしたいのであれば相手に自分の課題であることを理解させて、援助を求められた時のみにすべきだとのこと。

例えば「信じる」という行為も、「他者を信じる」のは自分の課題、「他者が期待通り動くか」は他者の課題と分割できます。

そして対人関係の具体的方策として「他者の課題には介入せず、自分の課題には介入させない」ことが述べられています。

そしてここから「自由」についての話が始まります。

表紙にもある通りここで飛び出すのが

自由とは他者から嫌われることである

という言葉。

アドラー心理学では自由を得るためにコスト(代償)を支払う必要があると考えます。

それが

  • 他者から嫌われるかもしれない
  • 他者に評価されないかもしれない
  • 他者に承認されないかもしれない

というもの。

これが本書のタイトルでもある「嫌われる勇気」の意味です。

誤解されないように言っておきますが、わざわざ人に嫌われろと言っているのではなく、自分の生き方を貫く際に他人に嫌われるのを恐れるなということです。

まとめ

最後に1章~3章についてまとめておきます。

  • 原因論ではなく、目的論で物事を考えること
  • 人生を他者との競争で考えるのをやめること
  • 課題の分離を行い、他者の問題には介入しないこと

が述べられていました。

今回は長くなったのでここまで。

何かしらの形で生きづらさを感じている方は、ぜひ本書をお手に取ってみてください。


コメント

タイトルとURLをコピーしました